トランスジェンダー女性の配偶者との日々を綴った漫画『夫は実は女性でした』(講談社)
結婚8年目、夫から突然「ワタシ、本当は中身が女性で…」とカミングアウトされた妻・津島つしまさんが描く、トランスジェンダー 女性の配偶者との日々を綴ったコミックエッセイ『夫は実は女性でした』(講談社)。センシティブなテーマを明るく穏やかなタッチで描き、「夫婦とは?
“普通”とは? を考えるきっかけになった」とSNSで反響を呼んでいる。津島つしまさんにカミングアウト時の心境を始め、2人の関係の変化について聞いた。
【漫画】カミングアウト後の“ふうふ”関係は…「子作り?」「周囲の冷たい反応に…」2人が出した結論とは? ◆“本当の自分”を生きている感じがする…カミングアウト後に笑顔が増えた夫
──“夫”のわふこさんからカミングアウトされたときの心境を教えてください。
【津島つしま】 「やっぱりか」と。一緒に住んでから彼女のタンスに女性ものの洋服があることに気付いていたので。ただ、私が決めることでも、「そうなんでしょ?」と聞くことでもないので、なんとなく「そうなのかな?」と思っていた程度でした。
──そのときの返事は「早く言えよ~」というものだったそうですね。
【津島つしま】 はい。ちょうどその頃、2人の関係がなんとなく噛み合ってない気がしていたんです。わふこがカミングアウトしてくれたことで、「私たちが夫婦として上手く関係を築けていなかった理由がわかって良かった」という意味の「早く言えよ~」でした。問題点がわからなければ改善もできないので。
──なかには「夫に嘘を付かれていた」と傷つき、怒りを覚える妻もいるかもしれません。津島さんが即座に受け入れられた理由は?
【津島つしま】 複数あるのですが、1つは私自身がパンセクシャル(性別を問わず「好きになった人が好き」という考え方)であること。それと私たち2人が子どもを望んでいなかったことも大きかったかもしれません。
たまに「器が大きいですね」といった感想もいただくんですが、そんなことは全くなくて偶然条件が揃っていただけなんです。私と同じ立場で「だったらお別れしよう」と選択される方がいても、それはその方の人生でぜんぜんいいと思います。
──カミングアウト後の2人の関係は?
【津島つしま】 より良いものになりましたね。わふこ自身も「本当の自分を生きている感じがする」と言って笑顔が増えました。私も彼女の心の深いところを理解できたことで繋がりがより強くなったと感じています。