「キューバは音楽が溢れる国って言われてるけど、実際それほどでもないよ」
何人かの旅人からそういう話を聞いていた。
実際ハバナでも観光客相手のレストランでは生バンドのライブがあるが(と言ってもその演奏は素晴らしいものだけど)、路上で市井の人々が音を鳴らすという光景は見られなかった。
週末ということもあるのかもしれないが、ここトリニダーは音楽が溢れていた。
昼間からキューバ音楽が流れるバーデでラムを注文しつつ数軒はしご。
気持ちよくなってきたところで石畳の町をゆっくり歩いていると、近くで陽気な音が聞こえてくる。
格好もかしこまったものではなく(大抵レストランで奏でるバンドは白いシャツを着ていたり、衣装があったり)普段着そのまんま。
最小限の素材で作られたシンプルな楽器。そこから奏でられるどこか懐かしくて優しい音。
彩りのある町並みを眺めながらぼんやりと聞く。
道端に座りながら小1時間ほど聞いていたであろうか、メンバーの一人が手招きをする。
どうやら奏でるメロディーに僕も参加させてくれるらしい。
馬の頭の骨のなかに木の実でも入れたのか、カラカラと鳴り響く楽器を持たせてもらいメロディーにアクセントを加えていく。
なんだか気持ちよすぎた。身体が勝手に動いてしょうがない。
夜は夜とて街中で生演奏をバックにみんなサルサを踊っていた。
はっぴーとりにだー
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