【X-RAY feat.SHARA】を、キーボーディスト視点で振り返る | KeyboardだってROCKだぜ

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引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストの日常。

あけましておめでとうございます
本年も宜しくお願い申し上げます
平成31年 元旦
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昨年12/28(金)、誕生の地・京都で幕をおろした【X-RAY feat.SHARA】、全13箇所の公演に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。

以下、備忘録的に“キーボーディスト目線”で振り返ってみたいと思います。なんのことはない、音色解説のようなものだと思ってください(^^;
追加公演のセットリストに沿って書いていきます。かなりマニアックなので、途中で飽きる方もいらっしゃるかも…?
使用機材は
KORG Triton pro(シンセ音色全般)
iPad mini +KORG Module(音源アプリ/ピアノ音色に使用)
HAMMOND XB-2(オルガン)
※追加公演2本では、Roland VK-7にスイッチ

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OP.SE
(THEME OF X-RAY)
-注:以下タイトル後に★印のある曲は、オリジナルにキーボードが入っていないものです-

①Stardust Way
Live ver.ということで、SEに続くイントロダクションはオルガンで。
ギターの単音リフの後の、印象的な『チャ〜チャ〜チャ〜チャ〜…』は3音色による合成音。
Aメロはオルガン→Bメロで、イントロとは別のシンセ音色。
ギターソロは右手オルガンのコードバッキングからはじまり、後半で左手によるBメロ音色を重ねて弾きました。
ギターソロ後の大サビでのアルペジオは、音の立ちと抜けを特に意識して、レコード(CD)での印象を崩さないように、時間をかけて調整しました。
※音色切り替えのロスをなくすため、使用音色を鍵盤上に音域ごとに割り振ってありました(=スプリット)

②Rock Tonight!
イントロリフはオルガンを基本に、アクセント部分のみ2音色合成によるシンセ音色を使用。
Aメロはオルガンのみ、Bメロで鍵盤低音側に配置したシンセブラス音色を使用、サビはイントロと同様。
ギターソロではBメロ音色を左手、オルガンを右手で弾いてます。

③Question ★
ほぼオルガンですが、Bメロとギターソロ、ギターソロ後のキメなどでシンセを使用。右手側:シンセボイス/左手側:ストリングスのスプリット。実はこれ、“Lonely Guys”でも使っています。

④Singing Away
イントロの煌びやかなシンセ音色の再現に時間を費やしました。この音色を右手側に配置、左手側はエレピ+ストリングスの音色で。
Kb.ソロで音色の切り替えがありました。
ソロフレーズは原曲に忠実に。

⑤Burnin' Like The Fire
左手はオルガン、右手はイントロリフその他で使用するシンセ音色という弾き分け。
この曲でもKb.ソロで音色の切り替えあり。こちらもフレーズは原曲に忠実に。

⑥Power ★
男らしくオルガン1本で!笑

⑦Don't Lie Don't Touch
イントロでは、フェードインしてくる単音ストリングスと、1拍ディレイのかかったフルート音色。

続くリフの前で切り替えて、右手:ギターリフとユニゾンのシンセ音色/左手:Aメロ用の音色へ。さらにサビ前のアルペジオ用の音色が右手側の高音域にセットされています。

エンディングでまた音色切り替え、オルゴール音色にチェンジ。
というように、この曲では5つの音色を使用しました。

⑧Lady Ray
まず右手側:イントロで聴かれるアルペジオ/左手側:ピアノから曲がスタート。

サビからは右手側は同じですが、左手側の音色をシンセブラス(2コーラス目のAメロとギターソロで使用)にチェンジ、サビはオルガンで。

⑨Fade Away
イントロでは、音抜けを重視したストリングス音色、Aメロでは厚みと温かみを持たせたストリングス音色という2種類の使い分け。それに加えてサビ前の上昇フレーズ用のシンセ音色という、計3音色を使用しました。

⑩Reflection Hide Away~Bass & Drum Solo
イントロで聴かれる白玉用音色と、その後のリフ用の音色の2音色スプリットからスタート。

Aメロで切り替え→左手側:ボイス系音色/右手側:シンセストリングス(Bメロ用)/さらに高音域にはサビ中のキメで使う音色を配置。ソロではソロ用音色に切り替えています。ギターとの掛け合いだったので、ギターソロのバッキングではオルガンを使用。
使用音色数は(オルガン含めて)最多の7音色。※掛け合いのソロは、出だしのフレーズは原曲に沿って、以降はアドリブにて。

続くBass Soloはオルガンのみ。

⑪Lonely Guys ★
オルガンをメインに、シンセ音色を2種類(“Question”と同一音色の組み合わせ)使用。

⑫Off Scandal
イントロ、Aメロ、Dメロ(大サビ)でそれぞれシンセ音色、Bメロ〜サビはオルガン。ギターソロのバッキングでは、Dメロ音色を左手、オルガンを右手で演奏。

⑬Trouble Maker
ほぼオルガンですが、ギターソロ中のユニゾン〜ハモリのフレーズでシンセを使用。シンプルです。

⑭You Got The World
曲頭のサビでシンセ、ギターリフでオルガン、Aメロではシンセ(先の音色とは別)とオルガンが4小節ずつ交互に。Bメロで更に別の音色、サビ前のアルペジオ調フレーズではまた別の音色、と場面に応じて出てきます。

アンコール 1
⑮Tell Me About Yourself
全編通してピアノですが、イントロではシンセ音色、サビ〜ギターソロではストリングスの音が被ってきます。被る側の音色を左足ヴォリュームペダルで音量コントロール。右足でピアノのサスティンon/offもしなければならないという、立奏では厳しい1曲でした。

⑯Last Show Time ★
シンセによるストリングス音色とオルガンのみ。

アンコール2
⑰Foolish Boys ★
オルガン1本!
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以上、改めて数えてみたら、オルガンとピアノを除いて36音色も使ってました…!まあよくも作ったもんです。

レコード(CD)に収録されたオリジナルの再現をテーマにこだわり抜いた音色が、各公演にお越し頂いた皆様にご納得頂けていれば本望です。

あともうひとつ、今ツアーでの重要な役目はコーラス(ハーモニー)。“Don't Lie Don't Touch”以外の全曲で歌いました。アキラさんから直々のご指導賜って、苦心しながらでしたが、いかがでしたでしょうか。


…ということで、新年早々マニアックなネタでお届けしました(^^;