それこそ【気取り】なんじゃないの? | KeyboardだってROCKだぜ

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引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストの日常。

※画像はイメージです

若いミュージシャンのSNSプロフィールでよく目にする『サポート承ります』のような記述。
確かに、プロの世界(って言う言い方が鼻につく方は、以降読まなくてよし)でも、自身の活動の一環として、サポートを専門に請け負うミュージシャンはたくさんいます。

けどね、一緒にしないでください。
そこにかかる責任の重さが違いますから。

かくいう自分も、いくつかのバンドでのサポート経験はあります、もちろんメジャーで。まあメジャー/インディーズの区別はここでは置いとくとして。

“プロとして”サポートを請け負う以上、必ずギャラは発生します、仕事ですから。以前別の記事で書きましたが、額面以上の仕事をするのが当たり前です。そして『お金を払ってでも弾いて(叩いて)欲しい』と先方は依頼をしてきます。となれば、いかなる要求にも応える、それが最低限の義務です。できないとか言ってられません(って言ってもやるのがプロですが)。
そのバンド(或いはソロアーティスト)の方向性や楽曲を精査熟知して、ライブ・コンサートの成功に貢献しなければなりません。楽曲を聴き込んで、(客観的視点という意味で)誰よりもその魅力を理解し、最大限に活かすためのプレイを心がけます。指定のフレーズなどは、絶対に外せません。主役はあくまでバンド側、引き立て役に徹します(※但しバンドの方針によっては、メンバーと同等の露出見え方を求められる場合もあり)。
ともあれ、常に心がけないといけないのは『いい仕事をする』、これに尽きます。

リハーサルにおいては、誰よりも早くスタジオに着いているのは当たり前。遅刻や欠席なんてもってのほか(感染性の疾患や不慮の事故は除く)。本番当日も同様。サポートですもの、足を引っ張ってどうするって話です。『ミュージシャンは時間にルーズ』なんていうイメージに踊らされてませんか?TV仕事の多い方は、30分前到着とか当たり前ですよ。特に搬入機材の多いドラムやキーボードは、遅れることは許されません。現場の進行に支障が出ます。

また、いくつもサポートする現場を抱えることもありますが、スケジュールを調整して、優劣をつけず、どれに対しても同じ姿勢で注力します。それが出来ないなら最初から安請け合いしません。クオリティを維持するのもプロの務めですから。そりゃあ人間ですからね、合う/合わないや、好き/嫌いもあるでしょう。でもそれならば自分が好きなメンバー集めてバンドやればいいって話です。

こんなの序の口、まだまだサポートゆえの“縛り”はたくさんあります。
たぶん実践できてない方の方が多いんじゃないですかね、『サポート承ります』なんて軽口叩く皆さんは。

はては専門学校で講師を務めているミュージシャン仲間から聞くところによれば、最初っから『サポートミュージシャンになりたい』と入学してくる子がいるとか。それって何か違うんじゃないかなあと。

以前目にしたあるインディーズバンド。
まあひどい演奏してる奴がいやがりまして、誰が聴いてもわかるようなミスを連発、おそらく進行を見失ったのか、途中で弾くのをやめてしまったりと、それはそれは…でした。後で聞けば『あ、あいつはサポートなので』って、いやサポートできてないじゃんてな話です。
本来【サポート】って、技術や実力を見込まれて依頼されるのが筋ですから。そこ勘違いされてもね。

それでプロ気取りされると、“本当の”プロに迷惑ですよ。ここでいう【プロ】は、意識の意味も含めて。プロ意識持ってれば、そんな醜態晒すこともありません、たぶん。

共感できる人は、ちゃんとできてる人。
共感できない人は…

ちゃんとやりましょうよ、音楽を。