あたりまえのこと | KeyboardだってROCKだぜ

KeyboardだってROCKだぜ

引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストのよもやま話。

…まあビックリです。
まさかここまで反響があるとは思いもよらずで。賛同頂けたのか、さもなくば、そんなにも【プロ気取り】の方がいらっしゃるのかと…ステージで、物とか飛んできたらどうしよう(^^;

冗談はさておき、本題。
プロって、甘いもんじゃないですよ。むしろアマチュアでいた方が幸せかも知れません。だって、ただ好きなだけでいいんですから。
音楽を好きになって、聴くだけには飽き足らずに楽器を手に取り、弾くことや叩くことが楽しくて、仲間を集めてバンドを組み、人前で演奏したい(=観てもらいたい)欲求にかられて、ステージデビュー。
こうやって音楽に携わった方ならば、一度や二度は夢見るはずです、『プロになりたい』と。それとも今時はそうでもないんですかねぇ。
そう思ったが運のツキ、そこから先にはイバラの道が待ってます。

まずは、より上達しなきゃいけません、これは単に技術技能の話ではなく、音楽にまつわるあらゆる意味で。ここで勘違いしちゃいけないのは、『誰々より』とかそういうことじゃないってこと。自分自身を高めていくこと。なかなか若いうちは理解できませんが、比べたってしょうがないんです、みんな違うんだし。ある時期ここに気がつかないと、個性がスポイルされて、つまらんミュージシャンになってしまいます。そんなんだったら機械の方がましですよ。

現在“プロ”と認知されてる方々は、そりゃもうアホほど練習してます・してきてます。家にいる間はずっとギター弾いてるとか、1日の大半を楽器と過ごすとか、ザラにいらっしゃいます。ていう自分も今、楽器の前でこのブログ書いてます。

売れっ子ミュージシャンともなれば、嫌でも毎日弾かなきゃならないです。だって毎日仕事ですから。1日に複数の現場を掛け持ちする方だっていらっしゃいます。あるリハをこなしてから、別現場の本番とか、ツアーから戻ったその足で、別のリハに向かうとか。俺はそこまでって滅多にないですけど。
もうね、楽しいかどうかなんてわからなくなりますよ。麻痺してきます。

そしてこれが最大の不幸(?)
最高の趣味を失ってしまうこと。
他の方はどうかわからないので、自分のことを書かせて頂くと…
あんなに好きだったはずなのに、あんなに多種多様な音楽を、楽しんで聴き漁っていたはずなのに、好んで聴くことが極端に減りました。仕事の曲を覚えるためにとか、必要に応じてっていうことはありますけど。特に車での移動中は、まず聴かないです、ドライブミュージックとか、ありえないですよ。だって車で移動→現場行ったら嫌ほど聴く羽目になりますから、せめて耳を休ませたいと思いますし。そうやって気持ちにメリハリつけてるっていうのもあります。
あとは聴くとすれば、まったく関係ないジャンルのものを聴くとか。【ロックキーボーディスト】のくせに、ロックはほとんど聴きません。だってつまらn(ry

性格的なものもあると思いますが、聴き流せないんです。どうしてもドラムとベースの絡みとか、うっすら鳴ってるシンセの音色とか、ヴォーカルメロに対する裏メロとか、そういうところにばっかり耳が行ってしまって、気持ちが休まりません(笑)
街を歩いてても疲れます。今はそこらじゅうに音楽が溢れてますから。勝手に耳から流れ込んできます。と、ここまでくるとかなり重篤ですよね。

想像できますか?

けど自分にとってはあたりまえなんです、どれもこれも。元々は前述の【アマチュア】のくだりの通り、ただの音楽バカでした。それがより深く傾倒することによってこうなってしまった、と。『せいやんは、音楽に対して真面目だから』は、先日金沢で再会した先輩にかつて言われたこと。友人のギタリスト、ケリー(サイモン)からは『ミスターストイック』の称号も戴いてますし(笑)

最近は、同年代(あるいはそれよりちょっと上)の方々が、昔取った杵柄とばかりに趣味で音楽活動を再開する【オヤジバンドブーム】なんてのもありますが、そうやってたまに楽しむ程度の方がいいかも知れないです。純粋に楽しめることが羨ましい。

学生の頃一緒にバンドをやっていた友達に何度となく言われました。
『いいよなぁ、お前は好きなこと仕事にしてて』。いやいやすっっっっごく大変だから。
けどそれすらも“あたりまえ”なんです。苦労とかあまり感じたことないですもの。

と、こういう人となりなので、【プロ気取り】に苦言を呈する気持ちもご理解いただければ。
(なんだよ、結局セルフフォローかよ、みたいな・笑)