キーボーディスト、としての誇り4 | KeyboardだってROCKだぜ

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引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストの日常。

たまたま今朝方、敬愛してやまない先輩キーボーディストとTwitterで音楽話に花が咲いたので、その勢いで書いてみます。

以前も書きましたが、いい音出しているアマチュアキーボーディストのなんと少ないことか。ここでいう『いい音』とは、楽器単体の話ではありません。何故ならそれは、単に機材のスペックによるものだからです。高い楽器ほどいい音がする、当たり前といえば当たり前。なのにその高い楽器を使ってもなお、『いい音』と感じさせるアマチュアキーボーディストはごく少数という現実。いや、一部のプロの方にも当てはまるかも知れません。

我々は経験で知っています。オケに混ざって、他の楽器の倍音の干渉をうけることによって音が変化することを。そしてそれを見越して普段音作りをしています。単体としての『いい音』ではなく、アンサンブルの中において楽曲を生かす『いい音』、目指すのはそこです。

これは言わばミュージシャンとしての【本能】そのもの。
時には他の楽器群から抜け出る音(『抜ける音』と称されます)、またある時にはギターの歪んだ音と混ざり合って、楽曲にファットなイメージを与える音。

ギターの音色、例えばギターの種類の違いによる音色の差異は、一般リスナーにはわかりづらいと思います。Fenderストラトの年代差を音から知ることは素人(ごめんなさい)には不可能だと思いますし、さらにいうなら、それがFenderストラトなのか、Gibsonレスポールなのか、ほとんどの一般リスナーにはわかりません。『歪んでる』か『歪んでない』か、コーラスエフェクト或いはディレイがかかってるか・かかってないか、その程度だと思います。曲によってはベースなのかギターなのかの区別が付かない方もいらっしゃるかも知れません。

対してキーボード/シンセサイザーの音色は、一聴してそれとわかります。ピアノはピアノ、ストリングス(弦楽器単体または合奏の音色の総称)はストリングス、ブラス(金管楽器単体または合奏の音色の総称)はブラス、クワイア(ボイス系或いはヒューマンボイスともいわれます)はクワイア。多種多様な音色、現存する楽器や人声のシミュレートから、SF空想世界のSE的音色まで操れるのが、キーボーディストの強みなのです。たとえるなら“宇宙空間”を想起させる音というのがありますが、人類のうち宇宙に行ったことのある人は数えるほどです。もちろん俺も行ったことはありません。

こういう言い方をしたら他パートの皆さんの顰蹙を買うかも知れませんが、バンドアンサンブルにおけるキーボード/シンセサイザーの役割は『モノクロで描かれた絵画に色彩を与えること』と常々考えて活動してきました。また一方で、目の見えない人に、色や情景を見せてあげられたら…とも常々思ってきました。
それが功を奏したのかどうなのか、お陰様で音色を褒めて頂ける機会が多いです。演奏技術にまったく触れて頂けないのが残念なところですが(泣)。

8/1(水)“仙台enn 2nd”からはじまる、【X-RAY 35th Anniversary Tour 2018】においても、そのスタンスは不変です。自身がこれまで培ってきた音色制作ノウハウの全てを注ぎ込んで、ご来場頂ける皆様に『あの音』を届けます。タイムスリップして、存分に泣いて頂けるように。そこは保証済みです、何せ俺が弾きながら泣いてますから(笑)。
そういえば先日、とあるセッションLiveにご来場頂けた方に言われました。『私も同じ楽器を使ってますが、きっと中身は違うものですよね?』
この褒め言葉、最高です♪
同じですよ、15年以上前のKORG Tritonです。

自分の楽器を愛して、隅々まで知って、使い倒してくださいね(^^)b