ニューヨーク、到着前の三重苦 | 前世が出てきてコンニチハ

前世が出てきてコンニチハ

ひょんなことから知った自分の前世との、怪しき格闘記。

2012年、2月17日。
私と夫のオットセイのニューヨーク旅行の前日。
まずは子供達の子守をしてもらう、オットセイの両親と弟の住むストックホルムへ電車でゴー。

車種はX2000と呼ばれる、日本で言う新幹線みたいなもの。スウェーデン国鉄が運営。新幹線よりやや速度は遅くて、その分?もっと庶民的。
結構揺れるといわれていますが、乗り心地は良いです。

$セイウチの怪しい部屋 ~扉の向こう側は...~


新幹線のように弁当売りワゴンはなくて、代わりに食堂車。
そこで売っているサンドイッチは激しく不味く、値段は高い。

翌日18日。

出発は早朝でしたが、義弟に車でストックホルムのアーランダ空港へ送ってもらいました。

「アーランダ」と聞くと、いつも「ああ何だ」と思う、骨の髄まで沁み込んだオヤジギャグ精神、飛行機と一緒に飛ばしてしまおうと考えてみたけれど、結局連れ帰ってきてしもたあせる

私は出発前から風邪気味で、ずっと鼻づまり。
鼻が詰まっていると、飛行機の中で耳が痛くなるとのことで、開店と同時に空港内の薬局へ飛び込み、鼻の中へズボッと落として吸い込むタイプの薬(näsdropparのことでんねん。日本語の名前分からん。すまぬ)をオットセイが購入。

機内で試してみたところ、一瞬鼻の通りが良くなりました。だから違う意味のクスリを使った人みたいに、鼻をスンスンやりながら3分くらいハイになってしまいました。でもその後すぐに、結局鼻の穴っ子は塞がれました。

飛行機の中、私の隣はスペイン人の男とスウェーデン人の女のカップル。女の方のスペイン語は、超上級者レベルだったと思います。
男はラテン系のせいかやたらと声がでかく、物静かなスウェーデン人乗客率95パーセントのSAS機内ではかなり目立っていました。

こんなに声がデカイのに、何故かこのスペイン語カップルにだけは離陸後すぐにシャンパンが出されました。ちゃんと聞いてなかったのですが、どうも彼らには機内スタッフに知り合いか何かがいて、そのシトからの挨拶らしい。

SASの粋なサアビス。私も機内でシャンパンを頂く身分になろう。
しかしここで不思議だったのは、そんなオサレなはずのシャンパンサービスのコップがね、ヒョウタンツギの顔の輪郭を髣髴とさせる、真ん中がへこんだ形のものだったこと。
しかもそれは、サービスで出すシャンパン専用グラスだったことが、後に判明!


$セイウチの怪しい部屋 ~扉の向こう側は...~


うーん、今こうして画像で見ると、ヒョウタンツギよりも何かの「炉」に近かったかも。

ちなみにストックホルムからニューヨークまでのフライト時間は8時間。思ったより遠かったアメリカ東海岸。

さてそろそろ到着~の時間が近づくと、トイレの利用が禁止になり、シートベルト着用で動けなくなりますね。
なのに私はモーレツにトイレに行きたくなってしまいました。

早くニューヨークに着いてくれーっ!
私の願いが通じたのか、飛行機が序序に高度を下げ始めたのですが、何気に揺れました。
気流のせいだったのか、これがアメリカ式の高度の下げ方なのかは分かりませんが、滑らかにじゃなくて、ガクガク下げたのよね、パイロットはん。
同じSASでも、成田に着陸する時はスーッと行きます。

鼻づまりで鼓膜が破れるかと思うほど耳の痛みもキンキンと強くなり、しかも音が聞こえない。
何の音もしない機内。SASもかつてのアヒミツロフロートのように燃料節約のためにエンジン消すのか?と思い、隣のオットセイに、

「エンジン回ってる?」

と聞いたら、うんと言う答え。だけど彼の声も遠かった。だって聞こえないんだもん。

今なら志村けんの、耳の遠い婆さんの真似がよく出来る!

耳痛い、トイレ行きたい。そしてマジ吐きそう。
おお、何という三重苦!

ウエーッ。ゲボゲボ。
後ろの席のガキが吐いた。

私の左隣の声のデカいスペイン人の連れのスウェーデン人女性も、右隣のオットセイも、シート前ポケットに入ってるゲロッパ袋(これも正式名が分からなくてすいません。スウェーデン語でもそのまんまkräkpåseと呼んでます)を取り出し、準備万端叫び

「すごく気持ち悪いんですけど」

の私の言葉にも全く無反応、無表情のオットセイ。

前後左右みんなヤバいかも!しかもやっぱり耳は痛いしトイレ行きたい。ってかもう、トイレに住みたかったね。

ヒョウタンツギのように白目を三角にし、死後硬直まで5秒前の状態の時、シコーキは無事ニューアーク空港に到着!

トイレも行って、気持ち悪いのも治って、耳の痛みも取れて、ああ、やれやれ。しかしここから新たな難関が待ち受けているのであった!

次回へ続く。