私立受験が終わり、自身の経験を基に慶應義塾大学帰国生入試の傾向について考えてみたいと思います。
受験した学部は以下の三つです。
ー法学部政治学科
ー商学部
ー経済学部
また、他の受験生の意見なども踏まえて、各学部の入試傾向について総合的に判断したいと思います。検証対象は私立文系帰国受験の最大手、駿台国際の受験生を参考にしたものですが、個人の主観や偏りがあることにはご留意ください。
法学部政治学科・法律学科
一次選考基準:幅広い層の点数保持者が通った印象です。TOEFLは最低100点、SATは1300代中盤、IBは34辺りから一次は通っていました。
小論文:デジタル技術による言論統制
難易度:★★☆☆☆
GAFAなどの巨大IT企業が進出する中で、ツイッターやフェイスブックなどにおける、「言論の自由」について論じる課題でした。差がつきずらそうな印象を受けましたが、具体例や論の展開によっては面白い小論文を書けれると思います。
私は第二次世界大戦中にアドルフ・ヒトラー総統とドナルド・トランプ大統領による「ポピュリズム」という危険性が内在するとし、それを改善するにあたっては一企業による言論統制ではなく、国の枠組みに囚われない国際的な監査機関の必要性を主張しました。
面接(10分):手応え★★☆☆☆ 面接官:二人
内容:(雑談形式で質問を抽出し難く、主要なものを抜き取りました。)
ーあなたが慶應義塾大学法学部政治学科を志望した理由を教えてください。
志望理由しか言えず、授業内容や教授について触れる事ができませんでした。
ーインターに通ってたらしいけど、アメリカの大学進学などは考えましたか。
当初は考えていましたが、日本で研究をしたい理由がある事について伝えました。
ー教授の意見などを聞き、それに対して自分の意見を主張。
志望理由をガッチガチに固めてください。また、それに限らず研究分野に纏わる情報は積極的に取り入れておくと良いです。小論文については全く聞かれませんでした。
評価:
法学部は一次で多くを通して、二次で切るというスタンスでした。慶應義塾の帰国生入試においては統一試験などの語学試験の結果が非常に重要でありますが、面接や小論文もとても重要です。
実際に二次の成績で落とされた他受験生。
SAT1400点代後半 TOEFL110点代中盤
SAT1300点代中盤 TOEFL100点付近
IB DP 35点付近 TOEFL110点付近
実際に通っててもおかしくない様な高得点者が落とされており、二次試験の重要さが見えてきます。ゴリっゴリの圧迫面接を受けている人が周りに多かったです。
商学部商学科
一次選考基準:バッサリ切られます。今年は特に切られました。駿台から通った人でも100点代が少数、大半が110点越えという異常事態が発生しました。
小論文:クオータ制度(企業の役員や議員数の男女比率を同列にすること)
難易度:★★★☆☆
日本方雇用における企業福祉などを背景に、政治・行政・企業などにおける男女格差の実態を絡めて、クオータ制度について賛同しました。手応えはあまりなかったのですが、面接時に「良く書けてる」とのお言葉を頂きました。
面接(20分):手応え★★★★☆ 面接官:二人
内容:
ー志望理由は願書で十分に触れられてますので、ここではあなたが入学後どの様に
して研究計画を立て行きたいのか教えてください。
授業やゼミについて触れ、自分の学生生活の中で歩みたい研究を段階的に
説明しました。
ー喋り方上手いね。今まで訓練でもしてきたの?(純粋に誉られた)
日本語と英語を多用することによって生まれた話術であると説明した。
ー女性の格差の実態と海外経験への繋がり。(小論文について)
小論文に書いたことをそのまま説明しました。
ー生活の中で感じる、身近な女性格差を一つ挙げてください。
頭が真っ白で、きっちりと答えられなかった。
ー自分の疑問を一つ挙げ、教授に聞いてみた。
分かりやすく、丁寧に答えてくれて嬉しかった。
ーもし慶應で学ぶことになったら、様々な問題に焦点を当て、学生生活に勤しんで
ください。頑張ってください!
最後にこういう風に終わって、気持ちよく面接を終えられました。
評価:
商学部は一次で大量に落とされて二次で通るのかと思いきや、落とされている人もいました。
実際に二次の成績で落とされた他受験生。
SAT1400点代後半 TOEFL110点代前半
SAT1400点代付近 TOEFL110点代前半
点数が重要であるという事は変わらないのですが、二次試験で落とされるレベルが例年よりも高く感じました。
経済学部経済学科
一次試験:商学部ほどは落とされないです。SAT1300点代中盤、TOEFL100以上から通っているイメージです。
小論文:フードロスにより文化的、社会的、環境的影響について論じ、その解決策を導き出しなさい。
難易度:★★★☆☆
東京オリンピックで発覚された関係者の食料品廃棄、また現状の利益追求型社会における大量消費・大量生産・大量廃棄の合理性をもとに論じました。
面接(15分):手応え★★★★☆ 面接官:三人
内容:
ー慶應義塾大学商学部を志望した理由を教えてください。
志望理由を説明し、プレゼン力について褒められました。
ー具体的にどの様にして貴学で研究を進めて行きたいとお考えですか。
学習計画を説明。
ーインターナショナルスクールや海外を一貫してアメリカの学習環境にいたそうですが、日本の環境には馴染めそうですか。
ーあなたの研究内容には数学が必要ですが、どうしてタイプB(歴史専修型)なんですか。
理由を説明。それに対して教授の意見が飛び交った。
ー小論文について:企業は食料品に対して価格を付けて売っていますが、ある期間がすぎると無価値になる仕組みについて。
現状の利益追求型志向による大量消費型社会によって、大量生産をして残った部分を廃棄する仕組みを説明。
評価:
一次通ってる人はかなりの割合で受かっていました。面接は圧迫はなく、緩かった人が多かったです。
以上のように分かることが、
慶應は点数だけではなく、二次試験も殆どの場合において
とても重要であるということです。
頑張ってください!