睡眠と身体
健康を維持するためには睡眠は大切な要素です
睡眠については昨今色々な方面で語られていますが 今健康上のテーマとして語られる睡眠は増加している不眠の対策で眠りの善し悪しを寝る時間の長さで判断しています
必要な睡眠は8時間以上を基準とする考え方がいまだに健在で一定時間寝ていればよい 時間を満たしていれば不眠でなければよいという考え方が主流です
疲労が重なり時間の追われ 不足した睡眠の借金返済のために長い時間寝ることはたまには必要になります しかし 身体にとっては寝る時間を長くとることで 健康には悪い影響が出て来ることに気づいてはいません
整体の世界では睡眠は量で測るものでは無く質が大切であると指導します
疲れを残さないためと思い経常的に長時間の寝ることは 眠りを浅くして質が低下します 眠りは長く寝ると浅くなり短く寝ると深くなります 大切なのは眠りの深さです
1970年代のアメリカのレポートにもある通り30代半ばまでは8時間の睡眠が必要ですが 40代からは7時間が基準となり60代半ばでは6時間を基準というように必要睡眠時間は年齢とともに減少してきます
睡眠は 脳が休むことなのです ただ長い時間眠り夢を見るような場合実は脳が休んではいないのです
身体の疲労をとるためというのなら 短時間の深い睡眠と心身をリラックスさせるために 楽しく好きなことをすることや軽い運動などが最良の方法です
長時間の睡眠をとる習慣がある方に多いのが二度寝です 二度寝とは睡眠中に目を覚ましトイレに行くために目を覚ます事ではなく 一度起きてしまって本を読んだり 仕事してもう一度寝るなどのことを言い 昼寝をするというのも二度寝に含まれます
寝すぎる(長時間寝る)という事は常態化すると問題が出てきます 食べ過ぎと同じで 一度や二度の不養生は大きな影響はなく身体はすぐ戻ります しかしこれが続いてしまうと生活習慣として定着し回復が難しくなります
野口晴哉先生の道場や家で学んだお弟子さんは 寝ない食べないという生活に慣れるまでは大変だったそうです
過食や寝すぎは「生活習慣と病気」のテーマで書いたように それが背骨にダメージとして定着し椎骨の状態により不調や病気を呼び込みます
整体では交感神経の働きを整え 弾力と適度な緊張を持った活動的な身体を良しとします
健康な身体の象徴として快感 爽快感があるいう事があります 目覚めた時 よく寝たなとか起きた時に爽快感を感じるのは 熟睡したときにだけ感じるもので必要以上長時間眠った後に感じる事はなく
寝すぎた翌日は頭が重く 顔や瞼がはれたり浮腫んだりして身体が重くなります
自律神経から見るとこれは交感神経の働きが低下した状態で 心臓の収縮が弱くなるため全身の血流が悪くなります ここに運動不足が加わると 身体は酸素不足になり体調不良や病気を呼び込む原因にもなり得るのです
「眠る」つまり睡眠をとることと「寝ている」という状態を続けていることは違います 質の良い眠りで健康を維持できるよう生活を見直してください そうすれば骨盤は引き締まり 背骨に弾力が出て毎日を溌剌と過ごす事が出来るようになります
