砥石:金物祭の天然砥石を金鋸で切る | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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2018年に小さな工房を自分で建てました。
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こんばんは。たぬきです。

先日の原石を物色する亡者達、覚えてらっしゃいますでしょうか?


で、たぬきの買った原石がこちら。
どこかの浅葱ですね。

平面を出したら形をととのえます。
現在、新しい砥石鋸を作ってますが、もっと一般的な鋸も試しておきましょう。
これは、弓鋸盤用の弓のこ替刃。弓鋸盤とは、金鋸を機械化したものです。人の手のかわりに機械でぎーこぎーこと、棒鋼やアングルを切断してくれる原始的な工作機械です。
で、この替刃、全部まるごとハイス製。
バイメタルと言って刃先はハイスで背中は炭素鋼。これを熔接した物があります。金鋸ではこっちのほうが折れにくいので一般的ですね。
ですが、この替刃は全部ハイス。しかもSANDVIK製。代表的なスェーデン鋼。
品質は申し分なし。これで切り始めました。

キレイに切れてるでしょ。

挽き始めて最初の1分間はサラサラと切れました。順調です。
ですがその後刃先が滑り始め急に切れなくなりました。鋭い歯先が砥石により丸くなったのでしょう。その上、歯数が多い為に力が分散して砥石に食い込みません。
これなら目詰まりしながらでも、普通の金鋸で切ったほうがマシです。
問題はアサリ幅にもあります。アサリ幅3ミリ。これは広い。この3ミリ幅をすべて掻き出して行かねばなりません。疲れます。しかも、先の歯数同様に力が齒厚一杯に分散するので食い込みが悪くなります。
普通の金鋸のほうが、歯厚が薄い分食い込み易いので切れるのです。
やっぱり砥石鋸は歯数は少なく、そして歯には超硬チップが必要です。これではっきりしました。

切れない鋸でハァハァ言って切りました。

木端をアトマで面付けして、木口も面付けしようとしたところ。

層にヒビが。

剥離しました。まぁ、想定の範囲内です。

この浅葱、真ん中付近に別の層がながれこんだ様な跡があって、中砥のような使い心地でした。
それもあって、この層を剥離できれば有難いと剥離した所、あらまぁ流れ込んだ所だけ剥離しません。やっぱり異なる層と混じってたのね。

いじめても剥がれませんね。
ここだけ異質だったんだな。

この層を諦めて、その下で新しい面を開くことにします。
今度はキレイに割れました。

と思ったら、今度はカネですか😬

あちゃー。ついてない。

ダメ元でカネを剥がします。 硬かったけど、気長にコツコツ叩いたところ砕けて外れました。

で、ようやく使ってみましたが、少々荒い様です。
特に使い所もなさそうな😭
とりあえず、名倉の箱に仕舞いました。
今回はハズレだったようです。

と言った所で、今日はここまでです。
以上、たぬきでした。ではでは。