砥石:天然砥石を専用鋸で切る3 | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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2018年に小さな工房を自分で建てました。
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こんにちは。たぬきです。

砥石鋸の続きを。


前回作った鋸がこれ。


使った結果はツイキャスを見て頂きたく。
どの砥石も切れました。硬い砥石でも大丈夫。黃紙の鋸とは雲泥の差。当然、切ってる途中で目立てなんて不要です。

逆に欠点は以下の通り。
・硬い砥石でも切れるのは、歯数が少いから。1つの歯に大きな力が掛かるので砥石が砕けて削る事が出来るのです。その為歯には大きな負担が掛かります。結果、砥石を切ったあとは刃先が欠けてました。
目立ての、工夫がいりますね。
・刃渡りが短い為、ストロークさせると勢い余って行き過ぎて鋸が落ちる。ストロークは、砥石を砕きながら削るので力が入ります。気をつけていても落ちますね。
刃渡りを長くしないとダメです

というわけで3作目を作ります。
歯数を増やして刃渡りを確保します。
刃先は欠けにくいように鈍角にしておきました。

柄も作ります。今回はトガ(栂ツガ)です。
木目がきれいな良材を奢りました。

出来ました。刃渡りが前作の2倍位ありますね。

結果はこちら。
 長い動画ですが興味が有りましたら。

まとめると

・刃渡りが長いのは正解でした。

行き過ぎる事がかなり減りましたし扱いやすくなりました。

・刃を少し鈍くしたのは正解でした。

砥石3つ切っても歯欠け無し。これなら大丈夫でしょう。


だめだったのは。

・歯数が増えた分、1つの歯にかかる荷重が減りました。その為食い込みが悪いですね。砥石に当てる歯は同時に2までです。3つ当てると硬い砥石では滑って切れなくなります。丸鋸の丸みを活かした刃を考えたほうが良さそうです。

・刃渡りが長くなる分、鋸板の精度が求められます。手作りの鋸では熔接に伴う歪みが大きく、歪取りはするものの、抜けの悪い鋸になりますね。5ミリ程挽き込んでから、捨てる側をタガネで砕く必要があります。熔接精度向上が課題です。


と言った所で、今日はここまでです。

以上、たぬきでした。ではでは。