研ぎ:和剃刀を研ぐ | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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2018年に小さな工房を自分で建てました。
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こんばんは。たぬきです。


先日、かずかずけん師匠の所で和剃刀を頂いてきました。今回はこれを研ごうかと。


剃刀箱の中から好きな物を取っていけとの仰せです。何本か持っていけとの好意に甘え、大きいのと小さいのを選んできました。
大きいのは有名なへんこつ。イヤデモキレルで有名ですね。上等な量産品で、刻印の異なる等、バリエーションが豊富です。
頂いたのは屋号の刻印の無いシンプルなバージョン。それがどう言った意味を持つのかは皆目分かりません。
小さいのは吾妻。こちらは日本刀がなんとかと書いてありますが読めませんね。

裏はこんな感じ。かずかずけん師匠により、グラインダーで透直してあります。

では、始めましょう。
吾妻に錆が出てますね。錆を取りましょう。
WA600番にサビトールもどきを用意しました。パウダーを振ってから、もどきで揉込みます。

綺麗に取れました。

これなら大丈夫。

砥石に当ててみると、へんこつのアゴ付近が当たります。これでは研げません。

各種ヤスリを用意しました。
これで当たる部分を削ります。

当たらなくなりました。これで研ぐ準備が出来ました。

透き直してあるので、まずは焼結ダイヤで刃先が当たるまで気長に研ぎます。
剃刀は棟をガイドにピッタリ砥石に当てて研ぐものです。荷重の配分を考えながら刃先が真っ直ぐ当たるように気長に下ろして行きます。
追込み過ぎず、まぁ当たったかなぁ位で天然砥石の若狭田村山に当てます。研磨力を上げるためにGC名倉10000番を併用します。

これで最後はそっと研いで、手のひらでバリをそぉっと取りました。
恐る恐る自分のヒゲを剃ってみると、切れるけど、それ程は切れませんねぇ。
やはり、ダイヤでの研ぎ込みが足らなかった様です。

翌日、研承継3000→研承成6000としっかり研ぎ込みます。再び田村山で仕上げました。
今度はかなり切れます。明らかに良くなりました。グラインダーで透いているので刃先の先端が荒れていたのかも。一皮剥いた事で良くなってる気がします。 

たぬきは和剃刀を使うのは初めてです。I型の剃刀だってほとんど未経験者です。切出しや鉋で剃った方がずっと多いでしょう。てな訳で剃る技術や経験も積まなくてはなりません。
そんなたぬきですが、もう少し慣れたら改めてレビューしたいと思います。

と言った所で、今日はここまでです。
以上、たぬきでした。ではでは。