研ぎ:荒砥について考える2 | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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こんばんは。たぬきです。

少々間が空きましたが前回の続きを。

 

2.そもそも、荒砥はなぜ中砥よりも早く研げるのか

 

これが今回のテーマです。

 

荒砥のイメージはこんな感じ。

三角一つ一つは砥粒の一粒一粒を表しています。

 

 

対して中砥のイメージはもっと細かくてこんな感じ。

砥粒の大きさは荒砥の半分です。

砥粒の数に注目すると、荒砥は中砥の半分です。

砥粒一つに掛かる力に注目すると、(同じ力で研いだとして)荒砥は中砥の2倍。

 

つまり、砥粒に2倍の力を掛けると削れる量は2倍以上になると言う事です。

たぬきの想像では、これは砥粒の大きさで考えるのではなく、表面にある砥粒の数が重要だと思ってます。

 

電着ダイヤモンド砥石(アトマとか)って、番手の割にめっちゃ削れますよね。

砥粒がとっても硬いと言う事もあるでしょうが、多くの電着ダイヤ砥石は砥面の一部しか砥粒がついていません。

アトマも細かい水玉模様になってます。

砥粒が少ない分、一つ一つの砥粒に力が余計に掛かりますよね。

これも、良く削れる原因の一つかと。

 

恐らく、砥粒一つ辺りの荷重を大きくなるように砥石を作ると、研削力が大きくなると思います。

人は研ぐ時に刃物を押さえます。この力を出来るだけロス無く、少ない砥粒に伝えられる砥石が良く削る砥石なのでしょう。ボンドや骨材を多く配合すると、押さえる力が研削力の無いボンドや骨材に伝わってしまい、研削力が落ちてしまいます。

つまり、砥粒にボンドや骨材を沢山ブレンドしてぎゅうぎゅうに圧縮した砥石よりも、ボンドや骨材をちょっぴりにして、空気を沢山含んだスカスカの砥石の方が良く削る砥石と言うことになりそうです。

 

と言ったところで今日はここまでです。

以上たぬきでした。ではでは