研ぎ:荒砥について考える1 | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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こんばんは。たぬきです。

日々、木工に励んでおります。

しばらく荒砥について書いてみたいと思います。

たぬきが思っている事なので、正しいかはですが、あてども無く書散らしていこうかと。

 

ハイスとか青紙スーパーにD2(SKD11)等、硬くて粘りのある鋼を研ぐ時は、「荒砥よりも中砥の方が良く下すよ」なんて聞きませんか?

実際、ハイスの鉋なんてビトリファイドの荒砥で研いでも滑ってしまい、地金は傷だらけになってしまいます。

 

なぜ、ハイス鋼は荒砥で研げないのか?

どうしたら研げるのか?

これが今回のテーマ。長い話になりそうです。

書きたいことを整理しましょう。

 

1.まずは結論

2.そもそも、荒砥はなぜ中砥よりも早く研げるのか

3.研削の原理

4.ハイスを研ぐとどうなるのか 

5.ハイスを研ぐ為にはどんな荒砥が必要か

6.その他、参考資料等

 

こんな感じかな。後で変えるかもしれません。

 

 

1.結論

砥石は、研いでいるうちに砥石表面の砥粒が少しずつ丸くなって、削る力が衰えていきます。しかし、同時に砥粒が表面から離脱(剥がれていく)したり、砥粒が細かく砕ける事で、新たな角が発生し、削る力を回復させています。(これを自生作用と呼びます)

図①が砥石表面のイメージです。五角形が砥粒。砕けた砥粒も混じっていますね。

この離脱の速度が速すぎず遅すぎず丁度良くなるように、砥石メーカーで調整してあるわけです。

ところで、ハイスは硬くて砥粒が引掛かり難く、滑りやすい。その為、研ぐと砥石表面の砥粒をハイスがこする状態になります。こすっているうちに砥粒の角が丸くなり、ますます滑る様になります。こうなると研いでも削れなくなります。

つまり、引掛からないので表面の砥粒が引剥がされなくなり、新しい砥粒は出なくなる。すると表面の砥粒はこすられて丸くなり、さらに引掛からなくなる悪循環におちいる訳です。

これを、目つぶれと呼びます。図②はそのイメージです。砥石表面の角がすり減ってますね。

 

 

と、今日はこんな話でした。

次回から、もっと細かく見ていきたいと思います。

 

以上たぬきでした。ではでは。