キャセイパシフィック航空の特別塗装機たち | 青春の1ページ航空機等撮影記録~since2019 New Edition~

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今年もこれから暑い時期になる・・・

今週末は昼間が比較的暖かく、過ごしやすい状態でした。この気温が明日以降も水曜日頃まで続くようですが、次の3連休には気温が下がってしまうようです。また、今週は雨模様の日が多く、少し早いですが菜種梅雨の様相を呈しているような感じですね。

 

さて、この週末は昨日が職場の定期清掃のため午前中は出勤していましたが、地元の飛来機に特にネタはなかった上、体調もすぐれなったこともあり午後からは自宅で休んでいました。今日も今の時点では特に狙い目となるものの飛来はなさそうですので、撮影は完全にOFFとなりそうです。

ということで、本日は久々の特別塗装機ネタとして、キャセイパシフィック航空(CX)の特別塗装機について紹介したいと思います。

CXは、香港が中国に返還されることとなった1997年から本格的にスペマー機の運航を開始しました(なお、香港返還以前にも機体前方に創立50周年ロゴなどのステッカーが貼られた機体の運航実績はあります)。当初は742や744などのジャンボ機が選定されていましたが、最近は773や77Wにデザインされるケースが多くなっています。

なお、ワンワールドの特別塗装機についてはこちらの記事でも紹介しております☟。

 

また、子会社であった香港ドラゴン航空及びキャセイドラゴンの特別塗装機については、基本的にここでは触れませんのでご了承ください。

 

 

①The Spirit of Hong Kong(初代)

機種:B747-200 レジ:VR-HIB→B-HIB 運航期間:1997年4月頃~1999年12月

(画像はありません)

 

記録上確認されている中では最も古いスペマーがこの初代「The Spirit of Hong Kong」でした。香港の中国返還直前の1997年4月頃に登場したとみられ、レジも当初は「VR-」で始まるものとなっていました。深緑をベースカラーに、香港の街並みがデザインされたものとなっており、機体中央のやや前方には「家」の文字も入っていました。なお、「The Spirit of Hong Kong」の文言は機体前方の機首下あたりに入っており、ポートサイド側は広東語、スターボード側は英語(全部大文字で年号入り)となっていました。当時はCX自体が近~中距離の路線が運航のメインとなっており、日本では名古屋(小牧)、関空、福岡への飛来が確認されています。1999年12月にこの塗装のまま退役となっています。

 

②The Spirit of Hong Kong(2代目)

機種:B747-400 レジ:B-HOX 運航期間:2000年1月~2003年12月

(画像はありません)

 

初代塗装機の退役に伴い、翌2000年1月は2代目の「The Spirit of Hong Kong」が登場しました。機種は744に変更され、初代と同様の深緑ベースに、香港の街並みのほか子どもたちが描かれたものとなっており、文言は初代と逆にポートサイド側が英語(「SAME TEAM,SAME DREAM」)、スターボード側が広東語(「積極進取 飛越更高理想」)で表記されていました。なお、この2代目には「The Spirit of Hong Kong」の文言は入っていません。744となってからは長距離路線が運航のメインとなりましたが、近~中距離路線にも入ることがあり、日本には成田、名古屋(小牧)、新千歳への飛来が確認されています。2003年12月の整備で旧標準色に戻されるまで約4年弱の間運航されました。ちなみに、この塗装の3代目の登場までは、このあと約10年のブランクが開いてしまいます。

 

③Asia's world city(初代)

機種:B747-400 レジ:B-HOY 運航期間:2002年7月~2008年1月

(画像はありません)

 

初代「Asia's world city」塗装は2002年に登場しました。香港政府観光局による香港の認知向上をはかるためのキャッチフレーズ「Asia's World City(アジア・ワールド・シティ)」をネーミングにしたスペマー機で、機種は2代目「Spirit of Hong Kong」と同じ744となり、ベースカラーが深緑で、少し薄めのグリーンでウェーブラインが描かれたデザインになりました。また、機体中央には「HONG KONG」のロゴ、後方には「Asia's world city」の文言が入りました(このロゴと文言は機体前方の機首部分にも記載されています)。先に紹介した「Spirit of Hong Kong」より緑の割合が多く、なんとなくスイカをイメージさせることから、ファンの間では「スイカ塗装」と呼ばれることが多かったようです。なお、2006年頃には、後方に記載された「Swire Group」のロゴが大文字の「SWIRE」に変更されています。こちらも主に長距離路線で運航されていましたが、日本路線にもたまにアサインされており、成田、関空、新千歳、名古屋(小牧)、セントレアへの飛来が確認されています。後継となる「B-KPF」にバトンタッチする形で2008年1月に約5年半にわたる運航を終了し、旧標準色に戻されました。

 

④First Boeing Converted Freighter

機種:B747-400BCF レジ:B-HOU 運航期間:2005年12月~2011年6月頃

(画像はありません)

 

2005年に、同社初の貨物型改修機となった機体ですが、旧標準色を纏った上で、前方の社名ロゴの下にBCF初号機である旨のステッカーが貼付されました。2011年7月にエア・ホンコンへリースされるまでこのステッカーを貼ったまま運航されていたとみられます。日本へは成田と関空への飛来実績が確認されています。

 

⑤100th Airbus for Swire Group

機種:A330-300 レジ:B-LAD 運航期間:2006年8月~2012年9月

2枚とも 2012.7.14 成田国際空港

 

同社が所属しているスワイヤーグループが購入した通算100機目のエアバス機ということで、2006年に登場したスペマー機です。機体前方は旧標準色になっていますが、後方は深緑に赤のラインが入ったデザインとなり、「100th Aircraft」のロゴと「Progress Hong Kong」の文言が入っています。近~中距離路線で運航されていたため日本路線へのアサインもしばしばあり、成田、関空、セントレアへの飛来実績が確認されています。2012年9月の整備で旧標準色に戻されています。

 

⑥Asia's world city(2代目)

機種:B777-300ER レジ:B-KPF 運航期間:2008年1月~2014年3月

2枚とも 2012.10.7 中部国際空港

 

2008年に登場した2代目の「Asia's world city」の特別塗装機です。デザインは初代と全く同じですが、機種が77Wに変更されました。初代と同様、主に長距離路線で運航されましたが、定期運用のあった羽田線をはじめとした日本路線にもアサインされることがあり、羽田、成田、関空、セントレア、福岡への飛来実績がありました。2014年春の定期整備で旧標準色に戻されるまで、約6年2か月の間運航されました。

なお、このスペマーについては私も特に思い入れのある1機であり、こちらの記事でも紹介しておりますので、是非ご覧ください☟。

 

⑦one world(旧塗装)

機種:B777-300ER,A330-300,A340-300

レジ:(77W)B-KPL,(A333)B-HLU,(A343)B-HXG

運航期間:(77W)2009年10月~2017年10月 (A333)2009年9月~2023年6月

     (A343)2009年9月~2017年3月

B777-300ER(B-KPL)

(上)2014.8.10 羽田空港

(下)2012.9.22 関西国際空港

 

A330-300(B-HLU)

(上)2017.6.17 関西国際空港

(下)2012.8.25 関西国際空港

 

A340-300(B-HXG)

2013.2.10 成田国際空港

 

2009年のワンワールド加盟に合わせて、3機が登場した旧塗装のワンワ塗装機。機体は白一色となり、前方にワンワのロゴがデザインされています。77WとA343は主に長距離路線、A333は近~中距離路線で運航されていました。いずれも日本路線へのアサイン実績があり、飛来実績のある空港は次のとおりとなっています。

(77W)羽田、成田、関空、セントレア、福岡、新千歳

(A333)成田、関空、セントレア、福岡、新千歳、小松、仙台(チャーター)、花巻(チャーター)

(A343)成田、関空、セントレア、福岡、羽田(ダイバート扱い)

 

この3機は2017年以降順次姿を消し、まずA343が同年3月にこの塗装のまま退役後、同年10月には77Wが整備により現行塗装に塗り替えられ消滅、そして最後まで残ったA333は2023年6月に同じく整備で現行塗装になり消滅しました。なお、A333は晩年の約2年半はコロナ禍の影響もあり運用に入らずストアされていたようです。

 

⑧HONG KONG TRADER

機種:B747-8F レジ:B-LJA 運航期間:2011年11月~2018年8月

2枚とも 2014.5.4 成田国際空港

 

2011年11月に、748の初号機として登場した機体に施された特別塗装で、機体後方が薄緑に塗装され、香港の街並みと「HONG KONG TRADER」のロゴが描かれています。香港を発着する貨物路線で広く運航され、2018年8月の整備時に現行塗装となり消滅しました。日本へは成田と関空への飛来実績があります。

 

⑨1000th A330

機種:A330-300 レジ:B-LBB 運航期間:2013年7月~2019年5月

(上)2015.10.9 新千歳空港 (下)2016.5.7 関西国際空港

 

2013年7月に導入された機体ですが、通算1000機目となるA330製造機ということで、「We are flying the 1000th A330」の文言が社名ロゴの下に入れられました。近~中距離路線で運航されており、日本へは成田、関空、セントレア、福岡、新千歳への飛来実績が確認されています。2019年5月の整備で現行塗装となり消滅しました。

 

⑩100th Boeing aircraft

機種:B747-8F レジ:B-LJC 運航期間:2013年8月~2019年7月

2017.1.8 成田国際空港

 

2013年8月にデリバリーされた748Fの「B-LJC」には、同社の通算100機目となるボーイング機として導入されたことをしますステッカーが貼付されました。機体前方の機首寄りに小さく入っており、しっかり見ればはっきり判別可能ですが、ぱっと見では見逃す可能性もありそうです。こちらも日本へは成田と関空への飛来実績があるほか、ダイバートで羽田へ飛来したこともあります。2019年7月の整備時に現行塗装となり消滅しました。

 

⑪The Spirit of Hong Kong(3代目)

機種:B777-300ER レジ:B-KPB 運航期間:2013年12月~2018年9月

(1・2枚目)2014.1.19 羽田空港 (3枚目)2014.11.9 関西国際空港

 

2013年12月、約10年ぶりに復活した3代目の「The Spirit of Hong Kong」の塗装機。2013年7月に香港特別行政区政府とキャセイパシフィック航空が実施した香港のスピリットを表す「Hong Kong: Our Home」キャンペーンで募集したもので、110人のシルエットがデザインされたものとなっています。初代や2代目と同じ深緑ベースの塗装となっていますが、デザインは2代目から変更され、シルエットで描かれた香港の街並みにカラフルなデザインの人々を重ねて描いています。また、「The Spirit of Hong Kong」の文言が復活したほか、「香港精神號」の文言も併せて入れられています。機種は2代目までのジャンボから77Wに変更されました。主に長距離路線で運航されましたが、羽田線をはじめとして日本路線にもアサインされることがあり、羽田、成田、関空、セントレア、新千歳の各空港に飛来実績があります。2018年9月にこの塗装のまま77Wでは初の退役機となりました。

なお、この機体はこちらの記事でも触れております☟。

 

⑫The Spirit of Hong Kong(4代目)

機種:B777-300 レジ:B-HNK 運航期間:2017年6月~

(1枚目)2017.8.5 中部国際空港

(2枚目)2017.8.8 成田国際空港

(3枚目)2018.6.23 関西国際空港

 

2017年6月に登場した「The Spirit of Hong Kong」の4代目塗装機は、2017年で香港特別行政区設立20周年となることを記念した特別塗装機です。デザインは3代目までの深緑ベースから大きく変更され、現行塗装をベースに唐草模様が描かれたものになりました。この模様は機体後方に行くほど濃い色合いになっており、はっきりとわかるものになっています。また、3代目と同様の「The Spirit of Hong Kong」と「香港精神號」の文言が機体中央に入れられました。機種はそれまでの77Wから無印の773に変更され、主に日本を含む近距離路線で運航されています。

ちなみに、これまでに羽田、成田、関空、セントレア、新千歳への飛来実績があるほか、乗務員訓練として下地島空港へ飛来したこともあります。なお、同じデザインの色違いで、キャセイドラゴンのA333にも同じスペマーが運航されていましたが、こちらは既に退役しています。

 

⑭ワンワールド(現行塗装)

機種:B777-300ER レジ:B-KPD,B-KQI,B-KQL,B-KQM,B-KQN

運航期間:(B-KQI)2019年3月~、(B-KQL)2019年4月~、(B-KQM)2019年9月~、(B-KQN)2019年12月~、(B-KPD)2020年1月~

B-KQI 2022.7.17 関西国際空港

 

B-KQL (上)2023.1.2 (下)2023.1.22 関西国際空港

 

B-KQN 2枚とも2020.1.2 関西国際空港

 

2019年以降は現行塗装のワンワ塗装機が登場し、2019年3月から2020年1月までの間に5機が登場しました。5機すべてが77Wとなっており、機体前方のワンワロゴなどは旧塗装機と同じように記載されています。77Wにはコンフィグが2種類あり、5機のうち「B-KPD」「B-KQI」「B-KQM」の3機はファーストクラスが設定された仕様となっています(ちなみに、先に登場していた「B-KPF」「B-KPB」もファーストクラスが設定されていました)。5機とも長距離路線を中心に運航されていますが、日本路線にも時折アサインされる場合があり、またファーストクラスありの機体は羽田線への定期運用もあります。

これまでに飛来した実績のある空港は次のとおりです。

(B-KPD)羽田、成田、セントレア

(B-KQI)羽田、成田、関空、セントレア、新千歳

(B-KQL)羽田、成田、関空、新千歳、福岡

(B-KQM)羽田、成田、セントレア

(B-KQN)羽田、成田、関空、セントレア