中国人観光客への個人ビザが解禁されました。
「年収25万元(約350万円)以上」に限定して解禁するというのに関心を持ちました。
我が国では、社会が成熟化しているだけでなく、
昨今のワーキングプア現象にみられるように、購買能力自体が失われてきています。
しかし、我が国のモノづくり、サービスに対する海外の信頼は滅法高い。
特に、ニセモノが氾濫している中国では、本物志向を求める富裕層のニーズは高いと見込まれている。
そういう中で、海外の富裕層に日本に来てもらって、日本の高品質な商品、サービスを
もっと買ってもらおうという試みは、興味深いです。
ただ、日本側と中国側では、今回の個人ビザ解禁で望んでいることに温度差があるようです。
したがって、日本からの押付けサービスでは、がっかりする結果を招くかもしれません。
しっかり、マーケティングをやって、中国人のニーズに合った商品、サービスを開発し、
提供する努力が欠かせません。
中国個人旅行者が初来日 消費回復の起爆剤
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200907080131a.nwc
日本を訪れる中国人の個人観光客への「ビザ(査証)」の発給が7月に解禁されたのを受け、初めての個人観光客が8日、北京と上海から成田空港に到着した。空港ではセレモニーが開かれ、熱烈歓迎で出迎えた。ビザ解禁は、外国人観光客1000万人を目指す観光庁の肝いり。日本国内の消費不況にあえぐ旅行会社や小売り企業には、旅先での購買意欲が旺盛な中国人観光客への期待は大きく、準備万端を整え、手ぐすね引いて待ちかまえている。 中国人向けの観光ビザは不法就労を防ぐ狙いから、添乗員が同行する団体旅行に限られていたが、7月から「年収25万元(約350万円)以上」などの条件を設け、自由な個人旅行を解禁した。 日本政府観光局(JNTO)によると、昨年、日本を訪れた中国人観光客は前年比12%増の約45万人。外国人旅行者全体(835万人)に占める割合はまだまだ少なく、個人ビザ解禁による大幅な増加が期待されている。 最も恩恵を受けそうなのが、消費不況に加え、新型インフルエンザでダメージを受けた流行業界。「これまでは旅行代金の安いパックが多かったが、今後は富裕層が狙える」(業界関係者)とソロバンをはじく。 日本旅行は最先端の医療機器を使った検査を受けることができる「がん検診ツアー」を発売。3泊4日で107万円と高額だが、予約は好調で、年内に70人を見込んでいる。 JTBグループは、クレジットカードがまだ普及していない中国人のほとんどが持っている銀行のキャッシュカードで支払い決済ができる「銀聯(ぎんれん)」カードを使い、日本でオプションツアーを申し込めるようにした。 ANAセールスは中国語を十分に理解できるスタッフを配置し、トラブルに24時間、対応できるようにする。日本航空は中国就航35周年を記念して、来年2月に「北海道・昭和新山で雪合戦」というキャンペーンを展開。ジャルパックと共同で多様なオプショナルツアーを提供する。 小売業界では、多くの店がすでに設置している「銀聯カード」を活用し、観光客を取り込もうと知恵を絞っている。 家電量販店大手のビックカメラは1日から札幌市と福岡市の計3店で銀聯カード利用者への特典サービスを始めた。すでに9割以上の店舗で利用者には5%を割り引くサービスを実施しているが、観光客が多い3店については「プラスα」の割引を実施する。 三越は8日から銀座店で、「銀聯カードが使えます」と中国語で書かれたポスターをエスカレーター脇の掲示板に張り出した。 三越は計8店舗で銀聯カードが使用できるが、団体ツアーの客が多い銀座店が、使用額全体の3分の2を占めるという。銀座店では昨年度の使用額が前年度の3倍にも増えており、さらなる売り上げアップを期待している。(2009.7.8 fujisankei businessi.)
中国人観光客へ個人ビザ解禁 新千歳到着
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000907090004
個人観光ビザ:中国人に発給 第1陣の観光客、成田空港で歓迎行事 /千葉
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20090711ddlk12020133000c.html
個人ビザ解禁、日本旅行の魅力は「高品質でリーズナブル」
中国通な社長のビジネスコラム 第23回-秋葉良和
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0702&f=column_0702_003.shtml
いよいよ今月から中国人旅行者を対象に来日の際の個人ビザが解禁となります。7月1日初日は3都市合計で142名と日本大使館予想よりも少なかったそうです。 3都市限定、納税証明書にて25万元を超える方というのが条件で、4月30日のコラムでも言及しましたが、本制度を利用して中国から日本への旅行者が増えることが期待されます。しかしながら受け入れ側である日本の様々な業種が実需をしっかりと分析できず、停滞している日本経済の活性化につながることを過度に求めている気がしてなりません。 ここ数週間、日中双方の旅行会社、メディアから弊社への相談・取材が急激に増加しています。役員クラスからご担当の方まで意見交換を行っていますが、その中で両者の温度差を感じることが多々あります。
<中国の旅行社>
単純に個人旅行が楽しめる国際旅行の目的地が増えた程度の認識。 25万元以上の納税証明書提出が却って節税を図る富裕層に足枷となり、結局一部上場企業の管理職クラスの方がこれまで必要だった保証金を積まずに気軽に日本に行けるようになった程度。過度の期待もせず、中国の方に人気がありそうな訪問スポットや買い物コース等の設定を粛々と行っている印象。準備するホテルのグレードも3つ星、4つ星のリーズナブルでアクセスが良いところを設定。
<日本の旅行社>
いよいよ中国の富裕層が乗り込んでくる、停滞している日本経済に大きな刺激となるような一大ブームが訪れる。リゾート会員制を提供している企業から不動産、高級ブティックまでもが過度の期待をしている。勘違いの結果、設定されるプランは中国の方の需要にマッチしていない、日本側独りよがりのツアー内容になりがち。準備するホテルのグレードは5つ星以上の高級ホテル。 私自身、過去中国のビジネス顧客、友人が来日する際のアテンドを行うことが多々ありましたが、私の中国の方に対する印象は「必要以上に浪費はしない、考えは非常に現実的だ」ということ。 例えば「通常1泊3~5万円程度の5つ星ホテルが優待レートで1万円程度で宿泊できる、5~6千円程度のビジネスホテルは通常の価格のまま」といったシチュエーションであれば、日本人の多くは前者を選びますが、中国人の方は後者を選び、その分の差額を買い物代金に回します。 また、最近来日した中国の方が喜ぶのは「物価の逆転現象」。価格破壊といわれる日本の小売価格に加え、日本円に対し人民元高である現在においては、しっかりとした品質の日用品、身の回りのものがリーズナブルに入手できること。情報は中国の方の間でも口コミで広がっているようで、最近では来日の際に店名を挙げての指定があるようです。
<食事>
日本では東京港区の中心においても800円~1000円で十分にランチが食べれるうえ、中には経済危機後の不況も手伝ってか500円ランチなども出てきています。上海浦東地区の最近建設された某オフィスビル内レストランの価格よりも安い状況。 <日用品> ダイソーなどの100円ショップでは高品質な小物が結構揃います。中国国内で販売されているものより安いアイテムも数多くあります。マツモトキヨシなどのドラッグストアでは「メイドインジャパン」の化粧品がリーズナブルな価格で購入可能 <女性衣類> 銀座ではなく、新宿・渋谷の店が人気。若い方は渋谷「109」や新宿「ルミネ」などを目指して買い物に向かいます。また年齢層の高い方にも新宿。特にバーゲンの時期である1・2月、6・7月においては、高品質な衣類が中国百貨店よりもリーズナブルな価格で購入可能。ルイヴィトンやエルメス等のGLOBAL高級ブティックは中国でも多数展開されており、価格も日本で購入する場合とさほど変わらないので、積極的に購入はしません。
<電化製品>
こちらは例外。中国の方は相当な期待を胸に店に足を運びますが、結局はメイドインチャイナのジャパンブランド製品がほとんどで、価格も一部例外はあるものの、中国国内で購入した場合とさほど変わらない場合が多い。また中文説明書があることや電圧の心配をしないで良いことからも、結局お目当ての物の日本での購入を諦め、中国に帰国してから購入する場合が多くなっているようです。
上記の買い物以外に、皆さんが喜ぶのは清潔な町並み、店舗スタッフやタクシー利用の際の丁寧なサービスが日本のどこにっても平均的に体験できること。 来日経験があり、またその後リピーターとなる人は「リーズナブルに高品質なものが入手できる」+「予想以上のサービスの良さ」がキーとなり、再び訪れようとなるようです。 今回の個人ビザの解禁後も、中国の方の日本旅行が一過性のイベントではなく、恒常的なビジネスチャンスに定着させるためには日本側が独りよがりで抱いている「富裕層」「高級品」「不動産」などの幻想を捨て、「高品質でリーズナブル」「行き届いたサービス」に焦点を絞り旅行プランを提供すること。 一攫千金ではなく、旅行者の絶対数を増加させパイの拡大を図り、着実に利益を生むことが成功につながるのではないでしょうか。(執筆者:秋葉良和・株式会社A-commerce代表取締役)
余談…
テレビ「とくダネ!」で、真鍋かをりが日本の自然観光に訪れた中国人観光客の感想を語っていた。
→曰く、「中国の方がスケールがでかいから、つまんない」 だってさ・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。