児童ポルノ禁止法改正で宮沢りえの「Santa Fe」を廃棄せよという話 | ニュースな話題

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国会も終盤になった6月26日、児童ポルノ禁止法改正案の審議が衆議院法務委員会で始まりました。


しかし、この改正案。相当物議を醸しています。

元々、この改正案は、海外諸国では、児童の性的虐待防止のために児童ポルノの単純所持を禁止しているところが大半なのに、日本とロシアだけが禁止していない、そのため結果的に日本が規制の抜け道になっていると批判を受けて作成、提出されることになったようです。



ところが、改正案に対する国会質疑をみると、表現の自由内心の自由刑事罰の不遡及などに関して、考え方の整理が未成熟とみられる答弁が連発されています。



象徴的に語られているのが、宮沢りえの写真集「Santa Fe」。
ニュースな話題-Santa Fe

民主党・枝野議員や社民党・保坂議員が具体例として取り上げ、

枝野議員は「過去に野田聖子さんから法案資料としてサンプル雑誌をもらいましたが、捨てたかどうか覚えてない。それが未必の故意だと言うなら、家捜ししなきゃいけないんですか?」と問うたのに対し、 自民党・葉梨議員は「枝野氏が持ってたとしても、それは性的好奇心を満たす目的じゃない。17歳か18歳か、サンタフェぐらい著名なものなら政府が問い合わせ受けるサービスぐらいします。判断しづらいなら、それは廃棄すべきだと思う」と答弁。


宮沢りえのヘアヌード写真集 17歳で撮影なら児童ポルノ?
http://www.j-cast.com/2009/06/29044242.html (2009.6.29JCASTニュース)


痛いニュース『自民「送付された児童ポルノでも1回開いたら有罪。写真など年齢が分からない場合は全て破棄すべき」 』

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1278384.html


【政治】 民主「児童ポルノ、家捜しして捨てろと?」→自民「1年間で廃棄を」→民主「年齢不明なものは」→自民「全て廃棄を」★28
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1246232813/l50



葉梨議員は枝野議員のケースは違うと断定していますが、その見解自体、主観的判断でいい加減なものです。

僕も枝野議員は違うと思いますが、同じようにサンプル資料をもらっても「ラッキー」と思い、性的好奇心の対象としてみる人は大勢いるでしょう。そもそも、こういう本を買う男の大部分は性的好奇心を持って買うんじゃないですか?結局、心の中の問題ですから、そんなことは誰にもわからないわけです。(写真集に精液が付いていれば『客観的証拠』になりますけどネェ(=´、`=)ゞ )

逆に、この法案が成立した後に、一般人が購入すると犯罪となってしまいます。

(たとえ、「表現の自由と猥褻概念との学問的研究に関心を持ったので参考に購入した」と主張しても、警察当局は「ハイハイ、わかりましたよ。」で手錠をガシャ!とかけるんでしょう!?)

→極めて曖昧で、恣意的に運用される懸念が拭えません。



また、この種の議論にありがちですが、個人的な貞操観念と立法趣旨がごちゃごちゃになってる面も出てきています。


アグネス・チャン「18歳まで待ったらどうですか。…18歳以下の子どもたちの裸を見る必要もなければ、水着の写真を見る必要もない。」(2009.6.26 衆院法務委での発言)

→(コメント)「18歳未満のグラビアは必要ない」かどうかは国民投票ものだと思います(*^▽^*)



さらに、児童ポルノの対象については、たとえ18歳以上であっても、制服を着ていたり見た目が幼くみえたらダメ(法律違反となる)、という話もあります。 →ありえない((((((ノ゚⊿゚)ノ


氾濫する児童ポルノ 規制強化には賛否両論も

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090213/crm0902131335017-n1.htm

…表現の自由の観点から規制強化を懸念する声があるほか、自分の子供との入浴風景やアニメなどを対象とすることについては慎重論が根強い。一方的に児童ポルノを送りつけられた場合でも単純所持として摘発対象になるのかなど、議論は多岐にわたる。…



このようなことでは、改正法案が通ったら、全国各地で野焼きが起き、地球温暖化に影響を与えるという笑えない(笑い話)もあります。



そもそも、合法時に所持していたものを法改正後に処分を求めるのは財産権の侵害であり、所持に刑罰を与えるのは刑事罰の不遡及の原則にも反すると思うのですが、皆さんのご意見を伺いたいです。

葉梨議員は、ピストルの例を挙げていたような記憶がありますが、ピストルとエロ本では次元が違います。



さらに、こうした問題以上に、児童の性的虐待防止・保護という児童ポルノ禁止法の当初の立法目的から、改正法は逸脱しているという指摘があることはより問題です。

(そもそも、最初の立法時からして、諸外国の立法趣旨から既に外れているという指摘もある)

児童ポルノ法の制定目的とかけ離れた監視国家への道(質疑動画付)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/04e4751d560853e576c8d69637edf57f


「児童ポルノ法改正」に潜む危険 (1/3)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0803/17/news010.html



警察官僚が仕切ると、どうしても『取り締まり』が前面に出てしまいますねえ(葉梨議員も警察官僚出身)。 児童福祉の観点から改正するのであれば、厚労省が法案を担当した方がよいのでは、と思えます。

また、諸外国では児童ポルノの単純所持を規制しているが、対象年齢や背景がそもそも違うようです。



欧米における児童ポルノ(Child Porno/ Child Pornography) はあやふやなものでなく、きちんと基準があるものです
http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok_child_porno.htm
…批准した各国とも(児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書)「第2条 (c) 」 を原則としながら、それぞれの国によって文化的な、あるいは国民のコンセンサス的な内容の付加やばらつきはありますが (例えば 「児童の権利に関する条約」 における児童の定義は 18歳未満ですが、「単純所持」 まで禁じるような児童ポルノ扱いとなると、イギリス、ドイツ、イタリアなどは 13歳以下のものとなっています)、日本の場合は法律上の児童ポルノの定義があいまいです (これは、成人・児童問わず、元々のポルノや 「わいせつ物」 の定義があやふやなことに起因していると思われます)。結果、17歳の高校生が水着で撮影したポートレートや動画が違法とされたり (心交社事件/ 児童ポルノ法違反容疑で逮捕されたものの、児童ポルノとしての立件はされず、児童福祉法での送検に留まった)、かつて新聞社後援で芸術として評価されていた写真集などが児童ポルノ認定されたり (清岡純子の作品など)、一方でヘアヌードが 「芸術」 として新聞社系の版元から出版、一般売りされ (宮沢りえの 「サンタフェ/ Santa Fe」 (撮影/ 篠山紀信) など)、こちらは一切の法的措置が取られないなど、時代や市場のムード、判断する個人の印象などが大きく作用する (その気になれば恣意的運用や拡大解釈が可能な) 状態となっています。
…なお IWF による 「世界児童ポルノサイト 10年間の統計」 によると、欧米で問題となっている児童ポルノのうち、およそ 91%が、12歳以下の児童を対象としたものとなっています。 つまり児童ポルノというよりは、「小学生ポルノ」 なんですね (そもそも児童 (Child) って言葉自体が、普通は小学生くらいを指す言葉です)。  日本の場合は、例えば 2007年の検挙実績でいえば、違反事件 1,914件のうち、およそ6割の 1,347件が、「女子高生などの児童買春」 を検挙したものとなっています (残りの約3割は、そうした援助交際 (援交/ 円光) の様子を撮影した動画などの販売を検挙したもの)。 15歳から17歳程度は、普通英語では 「Teen」(ティーンエイジャー/ Teenager/ 13歳から19歳までを指します) であり、「Child」 とは呼ばれません (ちなみに Teen Porno という言葉もあります)。  また買春 (児童買春) の内容を比べてみても、欧米や発展途上国のそれらが主に貧困をその根本原因としていて、親による児童の人身売買や、政情不安からくる治安の悪化などでの児童誘拐の多発、蔓延、先進国では不法移民の子供の誘拐など、貧富の格差や命に関わる貧困の現実とセットになってる話なんですね。  一方日本の場合は、例えば先ほど例に挙げた 2007年の検挙実績で云えば、親が買い与えた携帯電話による出会い系サイトでの援助交際などが中心で (児童自らが売春相手を探すケースが激増しています)、また得た金銭の大半を、児童本人が遊興費や小遣いとして得ているケースが大半を占めているのが現実です (日本では、児童の人権問題というより、「青少年の非行の問題として長く扱われてきた話です)。  もちろん売春 (買春) に走る女子高生や女子中学生を買う大人が悪いのは当然ですし、善悪の判断が未熟な女子高生や女子中学生の 「倫理観」 がこのように歪んでしまったのはまわりの大人の指導力不足からきているのですから児童の人権上、被害者だというのは理解できます。  しかし、貧しい移民の子が貧困ゆえに人身売買されて性的虐待を受ける海外の小学生の児童ポルノと、携帯電話で出会い系につなげて自分で売春を交渉して小遣いを稼ぐ厚化粧でありえないミニスカートの女子高校生やフリーターとが同じものだとは、筆者はどうしても思えません。 また同じであっても、それへの対処法や法的な支援や規制は、おのずと異なるものになるはです (原因も社会情勢も被害者数も被害者の年齢も国民性も、何もかもが違うのですから)。


→諸外国の児童ポルノ問題は、貧困を背景とするものであり、

  我が国のそれは、青少年の非行問題として扱われてきた- という指摘は達観です。




児童ポルノ法…原案は、読めば読むほど凄い法律案だったんです…
http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok3e.htm

日本の 「児童ポルノ法」 で規制される、いわゆる児童ポルノと称されるものは、大半が15~16歳以上の女子高生や高校中退者などを対象とする買春 (児童による売春/ 援助交際) を撮影した動画や画像です。 ドイツやオランダ、スイス、ノルウェーなどでは15歳~16歳から 「合法的に売春」 ができるので (売春を禁じている国は日本を含め、実はかなりの少数派です)、そもそもその年齢層で他国と比べることに、あまり意味がありません。  ところで欧米の児童ポルノの被害者年齢は 12歳以下が 91%で、日本では 12歳以下はわずか 11%程度で、被害者とされる児童の 70%以上が、実は高校生以上です。 子供の権利条約による児童の定義は 18歳未満ですが、先進国、途上国問わず多くの国が、性行為の最低同意年齢を 15歳から 16歳としており、さらに売春合法の国の場合、おおむねそれがそのままセックスワーカーの最低就業年齢になっています。 日本でも、結婚を前提とした性交渉は女性で 16歳から同意が可能となっています。 またさらに低年齢の、13歳からという国も結構多いのです (年齢制限のない国も多い)。  なぜ世界では 12歳前後に年齢的な区切りや概念が集中するかというと、人はおよそ 12歳程度で、「第二次性徴」 を迎え、生殖が可能な 「大人の体」 になるからです。 「子供を生み育てることが可能な 「体」 になっているのに、それを本人の意思に反し法で制限するのは、「児童の権利」 ではなく、そもそも 「人間の権利」 を侵害する行為だ」 という意見も、また世界では強いのです。  また第二次性徴を迎えると、表情や仕草、服装や化粧など社会経験で学習して得る部分の未熟さによる幼さは残るにせよ、肉体的に大人とほとんど区別のつかない容姿となる点も見逃せません。 取り締まるにしても峻別も困難となり、またいわゆる児童性愛者は見た目が大人となった12歳以上に性的欲望を向けることも少なく (前述の通り、欧米では児童ポルノの被写体の 91%が12歳以下です)、取り締まりや規制の効果が見込めなという点もあります。



こうしたことからすると、改正法案の質疑で「Santa Fe」が違法となるかどうかが議論になること自体、

児童性愛者から児童を守るという当初の目的からして、海外諸国には奇異に移るのではないでしょうか。



多くの方が言っていますが、児童ポルノ禁止ということに関しては、「政治改革」とか、「無駄遣い撲滅」といった類の話と似て、批判しづらい雰囲気があります。

それをいいことに、一部の団体が扇情的に運動を行っている一面もあると言われています。

しかし、そうした「大義」を徒にふりかざす動きに対して、『物言えば唇寒し』状態になって、思想統制に道を開くような愚を冒さないでほしい。

また、警察関係者としても権限が広がるから是非やりたいのでしょうが、皆で知恵を出し合ってよく整理してほしい。



少なくとも、議論が錯綜したまま、会期末が迫っているからといって強行採決するようなことは避けるべきです。



「児童ポルノ禁止法改正案、衆議院法務委員会で審議入り
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090629_298427.html



児童ポルノ禁止法改正法案」衆議院提出、漫画・アニメは3年後めどに検討
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/12/19914.html


葉梨議員コラム : 児童ポルノ禁止法改正案の審議促進を~「こども」の保護を後退させる民主党案(2009.6.15)
http://www.hanashiyasuhiro.com/modules/news/article.php?storyid=192