公務員制度改革―官僚叩きに走らず冷静な議論を (稲継 裕昭/早稲田大学政治経済学術院教授)
http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/opinion/gover-eco_090302.htm
(2009.3.2 読売オンライン)
稲継教授は、最近の公務員制度改革をめぐる議論について、
改革自体が自己目的化していると言っています。
まず、『政治が決め、官僚が従う』ことについて、
政治主導を掲げているが、
過去に政治主導を目的に導入された英国型の副大臣、政務官制度の総括がないままに、
今度は米国型の政治任用制度を導入しようとしていること
省益優先のセクショナリズムの打破を掲げながら、
個別省庁の原局が族議員と折衝しながら政策を作り上げる慣行に十分メスを入れないまま、
幹部人事を一元化したところで、改革につながるのか
と鋭い指摘をされています。
さらに、幹部人事の一元化のために行われる中央人事機関の設立について、
① 諸外国の分権化の動きと逆行するものであること、
② 公務員の政治的中立性の確保が損なわれること、
その結果、
① 行政組織のパフォーマンスが低下する恐れがある上、
② 定期一斉人事異動という日本的慣行を継続しつつ、さらに内閣人事局による専権的な人事異動を
可能にすれば、軍事政権を除き諸外国に類例のない強大な権限を有する組織が誕生する
ことを懸念されています。
まったくご指摘のとおりと思います。
公務員、官僚の悪事は叩かねばなりませんが、制度を見直す際には、
制度の現状や諸外国の例を十分に検証してやらないと、まさに「改悪」になってしまいます。