不動産流動化ビジネスには注目していただけに、こういう結果になって残念です。
私募ファンドで短期転売となると、結局、市況に左右されることになってしまうのでしょうか。
今回のことで思ったこと
不動産業界に対して。
浮き沈みが激しくなりがちな今のビジネスモデルを見直して、
長期的に安定したビジネスモデルを構築してほしい。
行政に対して。
連鎖倒産をできるだけ食い止めてほしい。
特に、建設業などの体力が弱っている事業会社。
行政に対して。
今回のスワップ契約は『不平等条約』だと思う。
何らかの規制を講じるべきではないか?
そうしないとまた同じような起こる、確実に。
そして、その被害者はいつも個人株主であり、
何にも知らされない社員です。
<アーバンコーポ>民事再生手続き申請 負債2558億円
新興不動産会社のアーバンコーポレイションは13日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てた。負債総額は約2558億円(7月31日時点)で、東京商工リサーチによると、今年最大の倒産になる。マンション分譲中堅のゼファーが7月に民事再生手続きを申し立てるなど、建設や不動産関連企業の倒産が続いている。
アーバンコーポレイションは90年創業。マンション分譲事業に加え、収益性が低くなったオフィスビルなどを買い入れて改修・改装しファンドなどに売却する不動産流動化事業に力を入れ、事業規模を拡大してきた。しかし、米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で、金融機関が不動産向け融資を絞ったため、資金調達が困難になったほか、マンション市況の低迷で開発済み不動産の売却も困難になり、資金繰りが悪化した。
このため、他社との資本提携を模索したが、合意には至らず、自主再建を断念した。今後はスポンサー企業を速やかに選定し、経営再建を目指す方針という。
東京証券取引所は13日、同社を9月14日付で上場廃止にすると発表した。
(2008年8月13日 毎日新聞)
ささやかれるマンション価格「9月暴落」説 (7月25日 J-CASTニュース)
建設業支援チーム創設へ 国交省、要望に応じ全国へ派遣
公共工事減少や資材高騰、不動産市況悪化など、建設業を取り巻く環境が悪化する中、国土交通省は15日、弁護士や公認会計士らで構成する中小建設業向けの経営支援チームを創設する方針を固めた。全国の建設業者から相談を受ける窓口を設け、要望に応じてチームを派遣し、状況を打開する経営のアドバイスを行う。平成21年度予算に、関連費用として数億円を要望する。
新設するチームの名称は「建設業経営支援チーム」(仮称)とし、全国に1、2カ所設ける「建設業緊急相談窓口」(同)で受け付けた要望をもとに、メンバーの専門家を業者に派遣する。派遣回数は、年100回程度を考えている。
同省は17年度から、各地の地方整備局や建設業協会などを拠点にした相談事業「ワンストップサービスセンター事業」を行っている。相談は主に中小企業診断士があたり、業務の範囲は、経営診断や事業計画策定の助言などに限られる。
しかし、今年に入って取引先の不動産業者などの倒産が増え、債権の確実な回収方法など法律上や税務上の高度な専門知識を求める事例が増大した。これを受けて国交省は、支援態勢の強化が必要と判断した。
民間信用調査会社の東京商工リサーチの調べでは、7月の倒産件数で建設業は前年同月比20・3%増の425件、不動産業も2・2倍の60件と、建設・不動産業の倒産は増加の一途をたどっている。
(2008年8月16日 産経新聞)
ファンドの悲鳴/REITアナリスト 山崎成人 (2008年7月25日)
アーバンコーポ 破綻劇の裏側
新興不動産会社であるアーバンコーポレイションが13日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は2558億円と今年最大の倒産となった。
上場企業では6月にスルガコーポレーション、7月にゼファーといった新興不動産会社が相次いで破綻しており、あらためて不動産市況の悪化を認識させることになった。ただ、アーバンについては投資家をミスリードするような情報の非開示が倒産と同時に明らかになっており、後味の悪さを残している。
アーバンは民事再生法の適用を申請した13日現在で資産超過状態であり、結局、資金繰りのメドが立たなくなったのが倒産の引き金となった。
今年の4~6月には、棚卸資産である不動産を数百億円売却して資金調達を図ったが、「昨年末以降、金融機関からの新規借り入れや借り換えが困難になった」(房園博行社長)状況で、資産売却が追いつかずについにギブアップした。
同社のビジネスは、主力事業である不動産流動化事業は不動産を仕入れて、改装、建て直しなどにより価値を向上させて転売するというもの。典型的な回転売買型で、不動産市況が下落局面を迎えたことでビジネスモデルが簡単に破綻してしまった。
ところが、アーバン倒産の図式はそんな単純な話だけでない。一般投資家に多大な損害を与える重大な開示義務違反ともいえる問題が明らかになったことに注目すべきだろう。
アーバンは7月に財務基盤を強化するためにフランスのBNPパリバに対して300億円の転換社債型新株予約権付き社債を発行し、資金調達に成功したとしていた。
だが実際には、アーバンにとって不利なスワップ契約を抱き合わせで締結しており、相殺すると300億円のうち約90億円しか資金調達できていなかった。さらにスワップ契約によって最終的に58億円の営業外損失まで発生しているのだから、あきれた話だ。
社債発行時には、大きな損失を発生させる可能性のあるスワップ契約のことにはまったく触れておらず、一般投資家にまるまる300億円を資金調達できたと思わせていたのだから、これは一般投資家に対する裏切り行為だ。
房園社長は「株主をだますつもりはなかったが、もう少し深い情報開示をしてもよかった」と反省の色も見せるが、今回の情報非開示は株主代表訴訟に発展する可能性もある。
なにより「今回のトラブルが原因で、アーバンと資本提携する予定だった外資系金融機関が断念することになった」(証券会社関係者)との情報もあり、情報開示に積極的でない姿勢が自らの首を締めたことになる。情報開示が企業存続の大前提であることを忘れてはいないだろうか。
今後、アーバンはスポンサー選びに入ることになる。今回の情報非開示を反省し、真摯な態度で情報開示をする企業姿勢を明確にしなければ、スポンサー選びは難航するだろう。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 野口達也)(8月18日 ダイヤモンドオンライン)