高齢の再犯者が激増している | ニュースな話題

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たまたまか、毎日と朝日で、高齢の受刑者が増えていることに伴う問題を取り上げています。


毎日では、懲役ができない認知症の高齢受刑者の問題を取り上げています。

そもそも、認知症でも有罪になるケースがあるのかと思いましたが、それはさておくとして、

医療刑務所が対応できないとして受け入れを拒否したのは、一概に責められないでしょう。


また、朝日では、高齢の受刑者が増えているのを背景に、法務省が高齢者用の専用棟をつくる

計画を取り上げています。

社会全体が高齢化すると、受刑者も高齢者が増えるから、それに応じた対応をするのは

しごく当然といえますが、

問題は、高齢の再犯者が激増していることです。


なぜ再び犯罪を犯すのか、やはり社会に復帰できないからですよね。


社会に復帰できない要因は、本人の更生への意志・意欲の問題もあるでしょうけど、

やはり、安定収入を得るための就職がなかなかできないのが大きいと考えます。


このため、法務省と厚労省が連携して刑務所出所者の就労支援事業を行い、

刑務所出所者を試行雇用した場合に奨励金を支払うような取組みもやっているみたいですが、

それでも、協力雇用主、つまり刑務所出所者を雇ってくれる事業主がまだまだ少ないという

現状があるようです。


協力雇用主を増やす方法はないものか?

なんか、最近は、不祥事で行政処分をくらう企業が少なくありませんが、

事業停止命令の代わりに、こうした刑務所出所者などの就職困難者を雇用させる

という措置をとらせることはできないのでしょうか??? 

(社会貢献の義務付けというペナルティを課す考え方ですが、やりすぎかなぁ)


いずれにせよ、本人のためにも、社会のためにも、働ける限りはどんどん働いてもらうに

こしたことはないのですが、一方で、誰しも加齢による体力の低下がおとづれるわけで、

いつまでも働き続けることはできません。(高齢者全般に言えることですが。)

そうした限界が来た人は、国が「おつかれさま~ニコニコ」といって、

福祉や年金でその後の最低限度の生活を保障してあげる必要があるのではないか?

そう思います。(たとえ、社会保険料や年金保険料を払ってなくても)


そうしないと、刑務所に安住の地を求める人は増えこそすれ、減ることはないでしょう。


高齢受刑者が増えているということは、社会的に不安定な貧困層が増えているということ

なのではないでしょうか。


社会の安定・安心を確保する観点から、この問題の解決のため、

就労促進策だけでなく、高齢者福祉対策(老後の生活保障)にも

もっともっと力を入れるべきと思います。


認知症受刑者:処遇に課題 労役困難、介護もなし/治療不能、受け入れぬ
◇刑務所 労役困難、介護もなし/医療刑務所 治療不能、受け入れぬ
福岡刑務所(福岡県宇美町)が、所内で労役に服す「懲役」ができない認知症の高齢受刑者について、精神疾患がある受刑者を収容する北九州医療刑務所(北九州市)に受け入れを打診したところ、拒否されたことが4日分かった。理由は「認知症は治癒の見込みがない」。高齢受刑者は増加傾向にあり、矯正を目的とする現行制度下で、介護機能のない刑務所での認知症受刑者の処遇が問題点として浮上した。【反田昌平】

 福岡刑務所によると、認知症の受刑者は2人。70歳代の1人は身寄りがなく06年に窃盗罪で有罪となり入所。出所3日後に再び窃盗容疑で逮捕され、再収監された。この受刑者は窃盗をしたことも覚えておらず、係官との会話も成立しない。医師は認知症と診断し、3畳の独居房で生活している。

 刑務所側の負担もあり、北九州医療刑務所に収容を打診したが「(治療可能な)精神疾患を併発していないと受け入れられない。認知症は治癒の見込みがない」として拒否されたという。

 福岡刑務所は、懲役8年未満の受刑者を1600人以上収容できる九州最大の刑務所で、窃盗など刑期が短い受刑者が多い。03年に185人だった65歳以上の高齢受刑者は、07年10月1日現在で261人と急増。最も多い罪状は窃盗罪で、再犯率も1人当たり9・5回と全体の4・1回を大きく上回り、出入所を頻繁に繰り返すケースも後を絶たない。

 同刑務所の花岡栄次調査官は「社会で行き場を失った高齢者が何度も刑務所に来る。高齢化に伴い認知症の受刑者の増加も予想され、介護機能のない刑務所での対応が課題となる」と話している。

 ◇法務、厚労省で対策を研究中

 法務省は今年、大分、広島、高松の3刑務所でバリアフリー化など戦後初の高齢受刑者対策に乗り出す。一方で、全国の認知症受刑者数を把握していない。ただ、知的障害・認知症対策については厚生労働省と共同研究を進めている。

【2008年1月5日 毎日朝刊】


刑務所に高齢者専用棟 3カ所で1千人収容へ 法務省

 法務省は、全国の三つの刑務所に高齢受刑者向けの専用棟を新たに設けることを決めた。フロアの段差をなくしたバリアフリーの施設にして、日常生活に支障がある受刑者でも過ごしやすくするとともに、職員の負担も減らすのが狙い。07年度の補正予算案に建設費83億円を計上。受刑者の高齢化が急速に進むなか、3カ所で約1千人を集中的に受け入れる計画だ。

 対象は広島(定員1606人)、高松(同1175人)、大分(同1512人)の各刑務所。いずれも60~70年代に建設された施設で、建て替えにあわせて、それぞれ1棟を高齢者棟として整備する。高齢者向けの改修を施した施設は尾道刑務支所(広島県)の例があるが、専門棟を設けるのは初めてという。

 3棟の定員は360人ずつ。車いすの受刑者でも居住棟から作業場への移動ができるようにし、壁には転倒事故防止の手すりを巡らせる予定。エレベーターも備え付ける。3刑務所とも都市部にあることから、立地条件を生かして近くの公立病院と連携し、受刑者が診療を受けやすくする。

 法務省によると、全国の施設にいる60歳以上の受刑者は、97年には3400人だったが、06年には8700人まで増えた。このうち約900人は歩行や日常生活に支障がある人たちだという。

 背景には、身寄りがなく、就職先を見つけられない高齢者が出所後も窃盗などを犯し、再び刑務所に戻ってくる現状がある。犯罪を10回以上重ねた「多数回再犯者」に占める65歳以上の割合は、95年は7.9%だったが、05年には20.3%に達した。

 こうした高齢受刑者は食事や移動に時間がかかったり、重労働ができなかったりして集団生活が難しく、職員の手厚い対応も求められる。同省は「高齢者を集めることで、そのペースにあった生活や作業をさせられ、刑務所全体の運営も効率化できる」としている。

【2008年1月4日 アサヒ・コム】