都立高校における奉仕の必修化について | ニュースな話題

ニュースな話題

政治、経済、時事などのニュース、トピックスについて書きます。

この4月から、都立高校において「奉仕」が必修科目になった。

各高校の授業計画をみると、

地域清掃、福祉活動体験、地域行事の手伝い、小学生の学習指導などが

並んでいる。

どうして奉仕体験・勤労体験を必修化したのかについては、

東京都教育ビジョン(平成164) 提言に書かれています。

『 多感な時期の子どもたちに対し、規範意識や公共心を育成していくには、単に守るべき社会のルールやマナーを言葉で教えるだけではなく、実際の社会の中で、体験的に学ばせていくことが必要である。そこで、学校教育において、児童・生徒に対して、長期の社会奉仕体験や勤労体験等を義務付けることも検討すべきである。

奉仕体験や勤労体験等を通じて、他人に共感し、社会の一員であることを実感し、また、社会に役に立つ喜びや勤労の大切さなど多くのことを体験的に学んでいく。

今後は、学校が地域と連携し、児童・生徒の奉仕活動・勤労体験活動を地域の中で意図的、計画的に行っていけるような仕組みをつくっていく必要がある。』

読めば、なるほどなあと思いつつも、

奉仕はやはり自発的意志に基づくものであるので、

ここで奉仕という言葉を使うのは適切でないと思います。

また、単に言葉だけの問題でなく、下の記事のような本当の意味での奉仕活動が

きちんと理解されるためには、ここで奉仕という言葉は使わない方がよかった。

あえて奉仕という言葉を使ったのには、石原都知事の意向があったのだろうと

思いますが、せめて、社会体験くらいにとどめておけばよかったのに。

また、国が義務化するのには憲法第18条「苦役からの自由」に違反する恐れ

があるらしいが、東京都が義務化するのは問題ないという理屈も理解できない。

それに、私たち大人がポイ捨てしたゴミを

「奉仕」として子どもたちに掃除させるのは、ちょっと抵抗感があります。

そもそも、地域社会で奉仕活動をしている大人は少数派ですよねえ。

(わたしもそうですが、それがなにか!?)

団塊の世代がこれからどっと定年を迎えますが、定年直後に鬱になる事例もあり、

その原因のひとつに、ずぅーと会社人間でやってきたのが急に地域社会と向き合って居場所を見つけなければならなくなることへの戸惑いがあると聞いたことがあります。

地域との関わりが求められているのは、なにも子どもだけではありませぬ。

奉仕活動としてではなく、オトナが地域と関わる機会を提供する観点から、

いっそ、大人も地域活動を義務化したらどうか?

と思いましたが、いかがでしょうか。




<清掃奉仕>名古屋駅周辺で15年間続け県警元刑事“引退” 4月7日15時7分配信毎日新聞


名古屋駅周辺でごみ拾いのボランティアを15年間続けている愛知県警の元刑事、奥田豊さん(82)=名古屋市港区泰明町=が今月限りで“引退”する。奥田さんは「体力の限界を感じた。昔に比べればごみは減ったし、モラルもよくなった」と言う。超高層ビルが立ち並ぶようになった名駅かいわいの変ぼうを肌で感じながら、その美観を陰で支え続けた姿がひっそり消えようとしている。
 連日にぎわうミッドランドスクエア(名古屋市名駅4)近くのビル街。「放置自転車が多いのが気になりますね」。奥田さんはそう言うと、自転車の間に落ちている空き缶やナイロン袋を、ほうきとちりとりで集めた。カートを押してゆっくり進むと、「おはようさん」と顔なじみの喫茶店主から声がかかり、軽く会釈した。
 平日の朝、午前5時に起き、同7時には名駅に到着する。約2時間かけて、錦通りから柳橋中央市場、ミッドランドスクエア周辺までの一角で路上のごみを拾う。ごみの量は、多い日には5キロになる。土日と年末年始、風雨の激しい日以外、ほとんど休まなかった。
 戦後まもなく愛知県警入りし、中署などで窃盗事件を多く担当した。定年後の83年に市内の清掃会社に再就職し、郵便物配送などの仕事をしていて、街のごみの多さが気になった。退職後の92年5月、一人でごみ拾いを始めた。「きれいな街づくりだけでなく、健康のためという軽い気持ちもあったんですよ」と照れくさそうに笑う。
 黙々とマイペースで作業する。早朝から働く市場の出入り業者や日雇い労働者など、顔なじみも増えた。多くの人から掛けられる「ご苦労さま」の声が励みになり、作業を続けることができた。
 奥田さんは「初めはカートに山積みだったごみも、今では3分の1ほどに減りました」と言う。ごみの中心は、紙類からペットボトルなどのプラスチック類に変わった。勤めていた清掃会社の好意で、同社の収集場にごみを引き取ってもらっている。同社の石原照久常務(65)は「黙々とごみを拾うひたむきな姿勢は、社員時代から変わりません」と話す。
 この15年で名駅は大きく変わった。低層のビルや飲食店が並ぶ雑然としていた街は、ここ数年の再開発で様変わりし、超高層ビルの建設が相次ぎ、ビジネスとファッションの街として注目を集めるようになった。「街はきれいになり、新しいビルもできた。私の役目も終わりかな」。そう話す奥田さんは、少しだけ寂しそうな表情も見せた。【影山哲也】


《参考サイト》


授業でボランティア体験!都立高校で「奉仕」が必修教科に  (ベネッセ教育情報サイト)


東京都教育ビジョン  (東京都教育委員会)


平成19年度「奉仕」授業計画一覧  (東京都教育委員会)