交通事故の罰則に関しては、平成13年に危険運転致死傷罪が新設されたばかり。
これで交通犯罪の重罰化への流れができ、徐々に適用されるようになったようですが、
それでもこれまでの適用は数百件、交通事故全体の1%にも満たない。
その理由は、適用要件が極めて狭いこと。
① アルコール又は薬物の影響で正常な運転が困難な状態で運転していたこと
② 進行を制御することが困難な高速度で運転していたこと
など、5要件のどれかに当てはまらないといけない。
しかも、飲酒運転やスピード違反の程度が相当ひどい状態でないと適用してくれない。
居酒屋で飲酒後、制限速度30キロのところ90~100キロで運転、
また、左足をあぐらを組むように曲げて運転席に乗せ、片手でハンドルを握る横着な姿勢だったため、
道路のくぼみを通過して車が揺れた際にバランスを崩し、ハンドル操作ができなくなって対向車線に
突っ込んで女性を死亡させた事故。
→危険運転致死傷罪は適用されず、業務上過失致死傷罪が適用されるようです。
【事例2】
音楽カセットの操作に気をとられたわき見運転で、園児たちの隊列に突っ込み数人を死亡させた事故。
→危険運転致死傷罪は適用されず、業務上過失致死傷罪が適用されるようです。
【事例3】
飲酒運転事故を起こした運転手が、そのままコンビニに直行。
そこで飲酒をしたため、運転時にどの程度飲酒したか確認できなくなった。
→危険運転致死傷罪は適用されず。
これってウソみたいな話ですが、ほんとうなんでしょうか??
業務上過失致死傷罪は、『1月以上5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金』にすぎません。
遺族の方々は、「窃盗罪より罪が軽いのはおかしいじゃないか
」
と叫んでいるが、ほんとうにそうだ。
そこで、交通犯罪については、業務上過失致死傷罪を適用するのをやめて
自動車運転過失致死傷罪を適用しようということだそうです。
世の中の動きに積極的に対応していこうという姿勢は評価していい。
しかし、これでも最高刑が7年。
ほかの法律との均衡を図ったのだと思いますが、正直、これで抑止になるの?という疑問がわきます。
このことに関し、6日のフジテレビ『とくダネ!』で、小倉キャスターがおもしろいことを言っていました。
「交通事故の刑罰に2つあるのはいいのかどうか疑問」
「酒を飲んで運転し、事故を起こしてもあくまで過失なんですよ」
「殺す気で運転していたのなら、殺人罪を適用すればいい」 …と。
そう、自動車運転致死傷罪と危険運転致死傷罪を一本化する。
そして、個々の事件の実態に応じて、量刑を決めればいいじゃないか というはなしです。
飲酒運転に対しては未必の故意と解釈して殺人罪を適用すればいい―
私なんかはそう思いますが、それが無理ならこういう一本化案でもいい。
危険悪質な交通事故によって裁判にまきこまれた遺族が、業務上過失致死傷罪の適用に対して、
より重い危険運転致死傷罪の適用を求めて署名活動などをする例が出てくるようになった。
自動車運転致死傷罪になっても、7年じゃ遺族の納得は得られないだろう。
もう少し、国民が納得できるような法律のつくり方、適用のしかたを
してほしい
と思います。
また、これも「とくダネ!」でやっていたことですが、
法改正だけに頼らず、交通対策を充実させることも必要です。
交通事故多発地点で、道を狭くしたり、わざと道をデコボコにしたりするだけで、
交通事故が相当減った地域があるそうです。
道路特定財源が余ってるんだったら、ムダな道路つくるより、こういうことにもっとドカンとカネをつぎこもうよ。
ボルボ社による「アルコール・インターロック」の実演の様子。
(写真=VOLVO)
交通事故厳罰化要綱を法相に答申~法制審
法制審議会は5日、「自動車運転過失致死傷罪」を新たに設けることを柱とする交通事故厳罰化の要綱をまとめ、長勢法相に答申した。 自動車運転過失致死傷罪の最高刑は懲役7年で、現在、交通事故に適用している業務上過失致死傷罪の懲役5年を2年上回る。この答申を受け、法務省は刑法の改正案を今国会に提出する。
《参考サイト》