日本経団連会長に御手洗キヤノン会長が就任し、政府税調に本間正明阪大大学院教授が就任してから、
にわかに法人税減税の声が大きくなってきた。
経団連会長、法人税「10%引き下げを」減税要望強化
日本経団連の御手洗冨士夫会長は13日の記者会見で、現在39.54%(標準税率)の法人所得課税の実効税率を「30%を目標にすべきだ」と述べ、現行より約10%引き下げるよう求めた。10%引き下げれば、約4.4兆円の大規模減税になる。消費税率2%に相当する額で、財源確保のため、将来的な消費税率の引き上げ幅拡大につながる可能性もある。(11月13日 asahi,com )
「法人税減税、答申で言及」 政府税調・本間氏
法人税の引き下げを巡り、政府税制調査会の本間正明・大阪大教授は…12月にまとめる07年度税制改正答申に盛り込むと表明した。
経済成長を重視する政府の路線に沿った動きと思えるが、ただそれだけではないらしい。
「『経済界が、企業減税にもっと本気になってくれないと困る』
政府内部からそんなささやきが伝わった…と、関係者は言う。」
(11月27日号 AERA 以下は同記事を一部参考)
今年度の国税収入は、予想より3~5兆円増える見通しだ。
さぞかし、財務省はほくほく顔だろうと思ったら、「うれしくない」ことらしい。
どうしてか?
政府は、2011年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目標にしている。
それは歳出削減と歳入増(増税)がセットになっており、将来の消費税増税の重要な布石だった。
ところが、思った以上の収入増加で、
「消費税上げなくていいじゃん」という声が出てくることを恐れているというのだ。
税収が増えて困るとは奇々怪々なり。
(MSN毎日インタラクティブより)
経済界の主張にも疑問がある。
御手洗会長は、
「日本経済の牽引(けんいん)車である企業が国際競争力を失っては困る。
各国の状況を見ると30%をめどに考えるべきだ」
と述べている。
しかし、日本はイギリス、フランスやアジアに比べるとたしかに低いが、米国、ドイツと同水準である。
しかも、トヨタやキヤノンなど、我が国のグローバル企業は、今年も最高益更新で空前の利益を上げている。
だから、会長の主張にはどうも説得力がない。
また、法人税率を10%引き下げれば、当面は4兆円規模の財源不足に陥る。
→消費税か所得税の増税につながりそうだ。
企業減税に関しては、減価償却制度の見直しがほぼ決定的となっている。
一方で、個人投資家がやっと増えてきた株式市場においては、軽減税率が廃止される方向だ。
いくらなんでも、企業の負担軽減のみに視点が偏りすぎてないか!?
百歩譲って減税するとしても、
①社会保険料の企業負担を廃止、個人に全額負担させる(年金の積立方式への移行となる)
②個人の所得税を①見合いで減税
③消費税、相続税等を増税
くらいの、もう少し構造改革につながるような施策を打ち出してほしい。
労働界にもっと声を上げてほしいが、今の民主党や労働組合では頼りないなあ。
どこか、だれか、消費者、市民の声を政治に届けてくれるところはないのでしょうか?
