グラミン成功の秘訣は相互監視にあり。
ノルウェーのノーベル賞委員会は13日、06年のノーベル平和賞を、バングラデシュの金融機関「グラミン(農村)銀行」とその創設者のムハマド・ユヌス氏(66)に授与する、と発表した。農村の貧しい人々の自立を促そうと、「マイクロクレジット」と呼ばれる無担保少額融資の仕組みを考案し、貧困の脱却に貢献した功績が評価された。(10月13日 asahi.com )
(AP通信)
ユヌス氏は、バングラデシュで担保無しでは融資しない銀行に失望し、自ら銀行を設立。
貧困に苦しむ農村の女性たちを対象に、無担保で100ドル程度の小額資金を融資し、その自立を促し、何百万という人々を救ってきたのが評価された。
すでにこの仕組みが世界60カ国以上で採用されているという。
マイクロクレジットとは、
○ 貧しい人たちが事業をはじめる際に無担保・小額の資金を貸し付ける制度
○ 他の銀行に比べて低金利で貸し付ける (とはいっても金利は20~30%らしい)
○ 地域の「顔が見える人」たちで連帯して責任を負うことで9割以上の返済率を維持
○ ただ貸すだけでなく、返済のための研修を実施。さらに働くことの意義や子どもの教育をちゃんとやらせることまで啓発している。
単に個人的に貧困者を救済したのでなく、貧困救済のための制度・枠組みをつくったというところが注目されます。
ただ、無担保融資を成り立たせる連帯保証の仕組みは、我が国にもあります。
我が国の場合、無担保事業融資は実際には信用保証協会に保証するしくみをとっている。消費者金融の場合は無担保のリスクを高金利(10~30%?)でカバーしている。
→融資のしくみ自体は、グラミン銀行は特段目新しくないように思えるのですが…。
20~30%という金利も、バングラデシュの他の銀行に比べたら安いのかもしれないが、我が国の消費者金融の方がまだ安い。
となると、連帯保証の仕組みに特徴がありそうだ。
我が国でも親兄弟や親しい知人を連帯保証人に立てる例が一般的にある。しかし、だからといって債務者が9割もの確率で返済できていることはないのが実態かと思います。日本人は勤勉でまじめで返済意欲が高いというところはバングラデシュと変わらないのに。
他のブログで詳しく書いておられるところがありました↓
山形浩生の『ケイザイ2.0』 第21回 マイクロファイナンスと、高利貸しのポジティブな役割
山形氏によると、グラミン銀行の返済率がとりわけ高いのは、もっぱら農村部の女性をねらっているからだという。
すなわち、コミュニティがあるため、相互監視がよく効く。また、家庭があるので女性は逃げられない。だから村八分にならないためには必死で働くしかない―ということのようです。
意外にシビアな世界ですね。
また、冒頭に「世界60カ国で採用」と紹介されていますが、こうした仕組みをしっかり把握して採用しないと成功はおぼつかないでしょうね。
しかし、山形氏も書いておられるように、こうした融資によりバングラデシュの女性の経済的・社会的地位は確実に向上しているのだから、ポジティブにとらえるべき話だと思います。
