向井亜紀の代理出産、親子と認める判決 | ニュースな話題

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やりおったなぁ~。南敏文裁判長! (知らない人だけど。)



タレント向井亜紀さん(41)と元プロレスラー高田延彦さん(44)夫妻が二人の人工受精卵を使い、米ネバダ州で代理出産によって生まれた双子の出生届を受理しなかった東京都品川区長の処分取り消しを求めた家事審判の即時抗告審で、東京高裁は29日、申し立てを却下した東京家裁決定を取り消し、出生届受理を命じる決定をした。
 南敏文裁判長は「ネバダ州の裁判所で向井夫妻の子と認められている。日本で夫妻の子と認められないと、双子は法律的に受け入れる国がない状態が続く。一連の経緯に公序良俗に反する要素は見当たらず、子の福祉を優先すべきだ」と判断した。
 向井さんは子宮がんで子宮を摘出後、代理出産を目指し、受精卵を米国人女性の子宮に移植。2003年に双子の男児が生まれた。しかし届出先の品川区から相談を受けた法務省が「向井さんを母とは認められない」と回答し、不受理となった。(9月30日共同通信)




ネバタ州の裁判所で…のくだりは、杓子定規に考えれば、

「ネバタ州はネバタ州だろう、日本は日本であり、日本の法令に則って裁く。こんなの認められないー」

という考え方も成り立つ。


そういう考えで、国際司法裁判所に持ち込まれるのかどうか知りませんが、

延々と何十年も頭の中でこねくり回した解釈論争が続いていく…ということを認識しながら

向井さんの請求を棄却するという選択肢も、『常識人』としてアリ、であったと思う。

(難波先生は、絶対キレると思うが。)



しかし、この裁判長は、杓子定規にこれまでの法解釈をあてがうようなことはせず、

時代背景の変化や、現実に親子の置かれている状況を十分に斟酌して判断を下した。


これぞ、まさに、リーガルマインドというべきものかな。




しかし、代理出産とか、凍結精子とか、人工授精とかは、んー難解。


…いい記事がありました。

 代理出産について――実母とは誰かという問いをめぐって/堂囿俊彦



もともと、民法779条は、嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる」

と書いているのです。


→そう、民法779条だけを読むと、法律論的には、

  代理出産で生まれた子を向井さんが単に認知すればいいという、それだけで終わっている話ではないか?



ところが、過去に最高裁は、779条の解釈として、

「母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する」

と言っちゃったので、これがもめる原因となっているようです。


まあ、民法創った人も、最高裁の人も、30年後に人工授精とか代理母といったケースが出てくることは想定しえなかったでしょう。


南裁判長も、「民法は自然懐胎のみの時代に制定された。現在は人為的な操作による懐胎や出産が実現されるようになった」

として、今回の判断を下しています。

それはしょうがないけど、ここ数年来、議論されてきてるわけだし、

そろそろ、民法改正するなりなんなりして、決着つけてよ!ね☆




ところで、今回の件について、総理や法務大臣が、政治家として、

どのような反応を示すのか、またどんな対応をするのかも、注目してよい点でしょう。


行政府の長としての立場に加えて、安倍総理個人としてもその伝統的な家族観からすれば、今回の判決は必ずしも賛意を示すものではないと思われます。


また、もともと品川区が「出生届を受理しません。」と言ったのは、当時の法務省の意向を踏まえてのことですが、

今度の法務大臣は、厚生労働族としてバリバリ鳴らし、少子化対策にも取り組んできた長勢甚遠 氏です。

従来の法務省の立場を踏襲されるのか、新たな見解を表明されるのか?



ま、「係争中の事件であり、コメントを差し控える」という対応が「常識」的な線になるのでしょうか…


  

~ ~ ~ 政府内の議論が白熱してまいりました~ ~ ~


代理出産の問題検討=塩崎官房長官
 塩崎恭久官房長官は16日午後の記者会見で、長野県のクリニックで50歳代女性が「孫」を代理出産していたことに関連し「少子化時代の中で、こういった問題について、検討を関係省庁でやっていくべきではないか」と述べ、代理出産の是非や問題点を検討する考えを明らかにした。これに関連し、政府高官は、法整備も含めて検討する考えを示した。 (10月16日時事通信)


高市氏-代理出産の論議を

長勢氏-補助医療整備先行

高市早苗少子化担当相は17日午前の記者会見で、長野県の産婦人科医が50代後半の女性に「孫」を代理出産させたことに関連し「法的、倫理的な問題などをおくせずに議論していくべきだ」と述べ、代理出産の是非をめぐる検討を政府内でも進めるべきだとの考えを示した。
高市氏は「親権や子どもの引き渡しでトラブルが起きている事例も海外にある。現時点で奨励できるかどうかは難しい」と指摘。その上で「子どもを切実に望んでもかなわない夫婦に、さまざまな選択肢を検討する必要はある」と強調した。
一方、長勢甚遠法相は同日午前の記者会見で、代理出産など生殖補助医療で生まれた子の法律上の取り扱いについて「そうした医療を認めるかどうかが基本にあり、それが決まらない段階で法律上の位置付けを決めると世の中が混乱する」と述べ、生殖補助医療自体の是非をめぐる議論を先行させるべきだとの認識を示した。(10月17日kyodonews)


<代理母出産禁止>見直し含め「政府全体で」再検討 厚労相
 長野県のクリニックで祖母が孫を代理出産していた問題で、柳沢伯夫・厚生労働相は17日の閣議後会見で、現在は禁止の方針をまとめている厚労省の報告書にとらわれず、見直しも含めて再検討することを明らかにした。厚生科学審議会は03年に代理出産を罰則付きで禁止すべきとの報告書をまとめているが、柳沢厚労相は「当時に比べ(代理出産に)賛成する世論もみられる」と話し、報告書にとらわれず、見直しも選択肢に入れた議論をする必要性を示した。また、厚労省だけでなく政府全体で検討する考えも示した。
 また、長勢甚遠法相は17日の閣議後会見で、生殖補助医療の進展に伴って民法の親子法制の見直しを求める声が出ていることに触れ、「どのような検討をするか官邸や厚生労働省と相談したい」と述べた。一方で法相は、代理出産を認めるかどうかといった医療法制が決まらない段階で民法を見直せば混乱を招くとの認識も示した。【玉木達也、森本英彦】 (10月17日毎日新聞)