ジェイコム株の現金決済で利益を上げた証券会社が、利益を自主的に「返上」する見通しになった。
(12/15日経朝刊)
最初、この記事みたとき、「このやろお、いいなあ」と嫉妬しました。
「利益計上」と読み違えてしまったからです。
しかし、「返上」とは…。これまた意外な展開。
ジェイコム誤発注で儲けた主な証券会社の利益は、推定で、
UBS 120億円
モルガン・スタンレー 14億円
日興コーディアル 10億円
リーマン・ブラザーズ 10億円
CSFB 9億円
野村證券 3億円
となっている。
実に、みずほ証券の今回の損失約400億円のうち166億円、4割を超えるという。
しかし、UBSは、「利益を保持する目的はない」と発表、他の証券会社も利益を返上する方針のよう。
与謝野金融相が「美しくない行為」と言い、世論も「みずほ証券のミスにつけこむ行為」との批判が出ていることに配慮するものらしい。
そして、日証協は、ジェイコム株の売買をまだ公表していない証券会社に対しても、返上を呼びかける意向といわれている。
さらに、今日の日経コラム春秋では、
「強欲こそ市場経済の推進剤という議論もあろうが、あえて提案。全額とはいわぬ、半額でも寄付したらどうか。」
と主張している。
ここまでくると、最初に記事を読んだときと違う、「なぜ、返上するのか?」という気持ちが頭をもたげてくる。
確かに美しくないし、火事場泥棒的な利益ではある。
けれども、上記の証券会社が行った株取引は、いずれも道徳的に批判されど違法性はない。
悪いのは、誤発注をしたみずほ証券であり、対応が遅れた東証だ。
そもそも、株式市場は生き馬の目を抜く世界だ。
仕手株のように意図的に株価を吊り上げて売り抜けたり、自社が仕込んだ銘柄の格付けを上げて買いを誘ったり、かと思えばMSCB(転換価格(下方)修正条項付き転換社債)を引き受けて時限爆弾のような売りをあびせたり。違法であるインサイダー取引もなくならないし、つかまらない。
そう、企業の成長性に着目した投資とかなんとかいうが、(もちろんそれも多分にありますが、)
いかに他の投資家の不知につけこんで自己の資金を増やすか、の争奪戦が繰り広げられているわけで、
「美しくない」とか「つけこむ」行為は日常茶判事なのです。
こうしたことを考えると、今回に関しては、
(自発的に返したいのならいとわないが、)返上を半ば強制するようなことは適切でない、と考えますが、
皆さんは「返上すべき」という人の方が多いんでしょうね。