若者の究極の雇用対策 | ニュースな話題

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…若者の究極の雇用対策は、就職口を増やすことです!!…



あったりまえだろ!!!と怒られそう。



でも、これまでの政府の政策はそうではありませんでした。


若年者が就職しないのは職業意識が希薄なせいだ、だから職業意識を啓発すれば若年者の雇用問題は解決に向かう…と考え、ジョブカフェという若者の総合相談窓口を設置したり、若者自立塾という合宿訓練を新事業として打ち出しています。


ニートが大きく取り上げられる中、それもたしかにあると思います。



しかし、若者が職業意識に目覚めたとしても、就職口がなければどうしょうもありません。




私自身振り返ってみても、就職活動していた頃、いっぱしの志望動機を述べていましたが、たいがい「一夜づけ」でした。

将来の夢はありましたが、当時の自分からして、「夢想」といわれてもしょうがないのが現状でした。


それでも、第○志望かの会社に何とか入ることができ、その会社で働く中で自分や人生というものを改めて省みることができたからこそ、当時の夢につながる今の職業生活を享受できています。


そう、当時は、自分みたいなものでも受け入れてくれるだけの余力が日本企業、社会にあったわけです。



しかし、今の若者に対して、日本の企業、社会は冷淡です。 





どうしてそうなったのでしょうか?
私の推測です。 




【推測1】高齢化社会が若者をはじき飛ばしたのではないか?
 


高齢化社会が進む中、政府はこれまで高齢者の雇用を維持、拡大する政策をとって来ました。

具体的には、定年を延長(55才から60才へ)にし、最近は65才までの雇用義務を企業に課しています。

そして、企業が高齢者を雇ったら助成金まで出しています。


結果的に、高齢者が以前より辞めなくなり出口がつまっているため、入り口(新卒採用)が狭くなるのです。

これは、職業意識とかニートとかの話とは直接関係のない話です。

要するに、若者のせいではありません。 




【推測2】企業に余力がなくなったのではないか?



昔は「潜在的失業者」「失業予備軍」を抱えていても大企業は平気でした。

しかし、今は、そうではありません。

国際競争の激化バブル崩壊でそんな余裕はなくなり、これまで高年者のリストラをやらざるを得ない状況であり、新卒者を雇うなんて余裕はなかったのだと推測します。

これも若者のせいではありません。 




【推測3】企業の意識が変わったのではないか?



昔は「何にもわからない新卒者でもまず採用してじっくり育てていけばよい」というのが日本企業の風土としてありました。

今は「即戦力求む」です。

新卒者を雇うのがその分減ります。

これまた若者のせいではありません。 




【推測4】公務員の採用が減ったのではないか?



経済の低迷により企業の採用数が減るのは、経済学的にも当然のことですが、同時に役所や教員などの公務員の採用を減らしてきた自治体も少なくないようです。


理由のひとつが行財政改革

公務員の場合、民間企業のようにクビを切れないため、必然的に人件費削減策は新卒採用の抑制となります。


しかし、地方自治体の教職員の高齢化が一段と進んだ結果、皮肉にも人件費の高止まりが財務省に目をつけられ、最近の地方公務員数・給与の削減論となって出てきています。


地方に定住を希望する若者の貴重な就職口がこれで大きな影響を受けるのは想像に難くありません。

しつこいようですが、これも若者のせいではありません。 




つまり、ニートなどの若者の雇用問題は、若者のせいではないのです。

だから、若者の職業意識を変えるような政策をとっても、その効果は限定的であろうと思うのです。 



それにしても、「究極の対策と書いておいて、結局、最初の1行だけかよ。」と思った方。  

…バレた!? もう少し書きます。


でもそう思うのです。

結局は、就職口を増やさないと就職できないと。


これまでは経済全体のパイが増えることによって雇用者数が増えたため、失業問題は大きな問題になりませんでした。

しかし、今は昔のような高成長は期待できません。



では、どうやって雇用を確保するのか!?




(もし雇用対策をやるなら)ワークシェアリングだと思います。 



現役社員の労働時間を削り、新卒者の雇用枠を確保する。


ただ、労働時間の減少に応じて、現役社員の給料は減ります。


これを皆さんが「いやだ、俺の給料は減らすな!」と言われるのでしたら、この話は終わりです。

若者の失業が増えようが知ったこっちゃない、ということになります。



そうなんです。

就職できない若者に就職口を与えるのは、社会政策です。



経済のパイが変わらない中で、

社会全体の就職者数が増えれば自分の給料は減るのです。

社会全体で痛みを分かち合う話です。

それを抜きにして、雇用問題を語るのはきれいごとに過ぎない、


とさえ私は思います。 




2001年、雇用問題が深刻化する中で、ワークシェアリングに関する政労使合意というものがされました。


当時はどちらかというと、リストラされる高齢者の雇用確保策の側面があったのですが、それでもワークシェアリングに対する政労使のトップレベルの合意がなされたわけです。


その後、ぱったりと聞かなくなりました。(一部地域では積極的に取り組んでいるらしいですが…)




クール・ビズを政府あげて取り組むのもいい(本音はやめてくれ…)ですが、同じくらい本気でワークシェアリングにも取り組むべきだろうと思います。



著者: 玄田 有史
タイトル: ジョブ・クリエイション

※お堅い本ですが、週間ダイヤモンド「学者・エコノミストが選んだ経済書ベスト30」第4位の名著です。

著者: 玄田 有史, 曲沼 美恵
タイトル: ニート―フリーターでもなく失業者でもなく

※マスコミでとかくいわれるお気楽フリーター論に反論した、ニートを知るに重要な一冊


※トップ画像;左「沖縄キャリアセンター」、右「jobcafe北海道