〔4〕異世界デジタルワールド | 星流の二番目のたな

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デジモンフロンティアおよびデジモンアドベンチャー02の二次創作(小説)中心に稼働します。たまに検証や物理的な制作もします。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。

 動くチビモンを目撃した一同。

 現在、客車内は荒れている。どう荒れているかというと以下の通りである。

 泉は顔を青くしながらイスの影に隠れている。顔だけ出してチビモンを凝視している。
「何なの、それ!? 動くぬいぐるみ……でもないし」
 その泉をかばう位置に純平が立っている。
「い、泉ちゃんには指一本触れさせないからな!」
 拓也は興味津々という表情でチビモンの横にしゃがみこんでいる。
「すごい、本当に食べてる! なあ触ってみてもいいか?」
 友樹はチビモンから離れるべくイスの上に避難。窓を叩き、泣きわめいている。
「恐いよ~! 家に帰りたいぃー!」
 一連のパニックを見てチビモンも驚く。涙ながらに大輔に訴える。
「なあ、おれこわい!? おれこわいの!?」

 以上が大輔の前に広がる光景である。
 大輔はしばらく頭を抱えていたが、我慢の限界が来た。
 大きく息を吸い、叫ぶ。

「ストーーーーーップ!」

 声量に全員が止まった。
 視線が大輔に集まる。
 大輔は息をついて、疲れた声で話す。
「順番に説明するから、みんな一旦座ってくれ」
「……はい」
 4人が大人しく座る。チビモンも大輔の足元にちんまりと座る。
 それを大輔が指差す。
「こいつはチビモン。怪獣じゃないし、乱暴しやしない」
「……よろしく」
 チビモンも4人に軽く頭を下げる。
「怪獣じゃなきゃ何だ? 宇宙人? モンスター?」
 拓也が矢継ぎ早に問いかける。今起こっている事に対して表情が輝いている。
「チビモンはデジモン――デジタルモンスターの一種。デジタルワールドっていう異世界の生き物なんだ」
「異世界? そんなのどこにあるんだよ」
 純平は疑いの視線を大輔に向けた。
「それは――」
 大輔の言葉は突然の揺れに遮られた。
 急ブレーキと急カーブと急発進を一気にやったような無茶苦茶な揺れ方だ。イスに座っていた全員が床に放り出された。
 座っていてこれだから、立っていた大輔が無事なわけはない。
 弾丸のように吹き飛んで、顔面か壁に激突した。そのまま床にずり落ちる。
「だ、だいじょうぶかだいすけ!?」
「……壁は友達怖くない……」
 心配するチビモンに、理解不能な返事をする大輔。鼻を押さえてうずくまる。
 辺りが明るくなって、ようやく顔を上げた。

 痛みに耐えている間に、列車は暗いトンネルを抜けていた。
 拓也達は既に窓の外に釘付けになっている。
「何だあの泡みたいなやつ!」
 言われて大輔も窓を見る。しずくのような見慣れた生き物が列車に近寄ってきていた。
「大輔、ポヨモン達だよ!」
 指差すパートナーもいつの間にかブイモンに進化している。
「やっぱりここはデジタルワールドなんだな!」
 安心してハイタッチする二人。対して、拓也達は呆然と外を見るばかりだった。


列車が駅らしき場所に滑りこんだ。
「よっと!」
「それっ!」
 真っ先に大輔とブイモンが飛び降りる。知らない場所だが、ホームにはパグモンやピヨモンもいた。来慣れた世界に間違いない。
「拓也達も早く降りてこいよっ!」
 笑顔で言われて、拓也達も周りを見回しながら降りてくる。友樹だけは散々迷っている。しかし、最後は置いていかれるより付いてくる方を選んだ。
「いっけね。忘れる所だった」
 大輔は先頭の芋虫のような汽車に歩み寄った。デジヴァイスを向ける。
「トレイルモンワーム。マシーン型デジモン。やっぱお前もデジモンだったんだな!」
 大輔の言葉に、ワームがぎょろりと大輔を見た。
「やけに馴れ馴れしい人間だな。まあ、あいつみたいに泣きわめかれるよりいいけどな」
 言われて振り返ると、友樹が泣きじゃくっていた。未知の生物に取り囲まれて、「帰りたい病」が再発したらしかった。拓也達が困ったように顔を見合わせている。
「俺や京達みたいに、あっさりデジタルワールドに慣れる方が珍しいか」
 大輔も頭をかいた。
「大輔みたいに選ばれし子どもってわけでもなさそうだしね」
 ブイモンの言葉に頷く。またトレイルモンを見上げた。
「なあ、あいつら元の世界に戻してやってくれないか? パートナーなしでこっちの世界歩かせるわけにもいかないしさ」
 ワームはあからさまに嫌そうな顔をした。
「簡単に言うなよ。人間の世界に行くのも楽じゃないんだ。それに――」
 線路の方で突然火の手が上がった。
「ほら! お前が話してるから来ちゃったじゃないか!」
 ワームが縮こまる。
 周りのデジモン達も我先にと逃げ惑う。
「大輔、とにかく行ってみよう!」
 ブイモンが走り出す。
「ああ! 拓也達は隠れてろよ!」
 すれ違いざまに拓也達に叫んで、大輔もブイモンの後を追った。



―――



ちまちまやってたデコードをようやくクリアしました。ラスボスを倒すのに、デジモンの強さでも特殊アイテムでもなく、通常アイテムの物量作戦を使ったゲーム下手です(汗)
一連の戦闘に大回復ディスク80枚と再生ディスク30枚くらい使いました……。絶対もっとスマートな勝ち方があったはずだっ!