第88話 過去の衝突! 救い出せる仲間 | 星流の二番目のたな

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デジモンフロンティアおよびデジモンアドベンチャー02の二次創作(小説)中心に稼働します。たまに検証や物理的な制作もします。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。

 俺が部屋に入って最初に感じたのは、自分に突き刺さる視線だった。
 その元は二組の人間とデジモンだ。また異世界から人が来た、という話は聞いていたから、初対面でも大体名前が分かる。
 でも、いきなり厳しい視線を向けられる意味は分からなかった。
「『闇』の闘士、か」
 男子の方――巧がつぶやく。その視線は俺に向いているようにも、ここにいない「誰か」に向いているようにも見えた。
「……っと、俺何かまずい事言ったか?」
 信也が遠慮がちに巧に聞く。
 巧ははっと顔を信也に向けて、首を横に振った。
「いや……これは俺達の世界の問題だし、こっちでは関係ないかもな」
 そう言って見せた笑顔は少しぎこちなかった。
 女子――葉月は黙っている。でもその手がかすかに銃へと動いていた。
 デジモン達も冷静さを装いながら、緊張の表情をにじませていた。
「何かあったみたいだね。君達の過去に」
 俺が静かに言うと、四人が顔を見合わせた。話すべきか迷っているみたいだった。
 結局巧が頷いて、最初に口を開いた。
「……つい二日前に、目の前で仲間を乗っ取られたんだ」
「悪核――分かりやすく言えば闇の力ってやつにね」
 葉月が補足する。
「じゃあ……今その仲間は」
 泉はこの先の話が読めてきたらしい。声に心配の響きが混じる。
 ピクシモンがため息をついて答えた。
「今は敵同然。暴走して何をしでかすか分からないって状態……らしいわ」
 真逆に、リオモンは自信を見せつけるように腕組みした。
「ま、俺達はどんな手段使ってでも正気に戻してやるつもりだけどな!」
 その様子を見て、俺への警戒心にも納得がいった。仲間を失ったばかりなのにそれを連想させる人間が出てきたら、動揺しないわけがないよな。
 ぎこちない空気を崩すように、泉が明るい声を出した。
「それだけ仲間の事を考えてるのなら、きっと助けられるわよ。ね」
 最後は俺に話を振ってきた。話の切り出しかたに困っていたから、正直嬉しかった。
 怪訝(けげん)そうな顔の四人に、俺から話をする。
「俺にも、騙されてみんなと敵対してた時があった。実の兄弟を殺しかけた事もあった。……でも仲間が俺のために、俺と戦ってくれた。おかげで今は、こうして一緒に過ごしていられる」
 いつもならこの話をする時は気が重いのに、今日は迷わずに言葉が湧き出た。
 自分の過去が誰かの未来に繋がるなら、ためらいはなかった。
「俺は巧達の事も、その仲間の事もよく知らない。だけど、仲間を救いたいと思えば、そう信じて進み続ければ、意志が力になってくれる。気休めじゃなくて、自分の経験からそう思うんだ」
 俺が息をついた時には、雰囲気も大分やわらいでいた。
「信じて進む、か。やっぱりそれしかないよな」
 巧が立ち上がって、俺に手を差し出した。背筋が伸びて表情も明るい。
「せっかく帰ってきたばかりなのに、妙な空気にしちまったな」
 その言葉に、俺は笑って首を横に振った。巧の手を握り返す。
「いいよ。巧達が早く元の目的に戻れるように、俺も精一杯協力する」


「そうと決まれば、あのでかい山をどかす方法を考えようぜ!」
 リオモンの声で、話は作戦会議に移った。



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改めて計算してみると、真治の離脱はこの場面の一昨日かそこらになるんですよね。近い!
再起してすぐとはいえ、急に闇堕ち関連の話がきたらまだ動揺するんだろうな、という発想で書いてみました。上手く書けてる自信が今一つですが(汗)本人が隠そうとしてる動揺を書くのって難しい。


さて、昨日パソコンうんぬんと言っていたのにどうした、総ツッコミされそうですね。
実はふと「スマホでの入力は遅いけど、ガラケーなら早いんじゃないか?」と思って、先代の携帯で執筆しました。あとは赤外線でスマホに送り、それをアメブロに貼り付けと。赤外線万歳。
パソコン入手するまでは、とりあえずこの手段でなんとかなりそうです。

あと、今さらながらトップの画像を森にしました。木のエリアだからそれっぽくしたいと思い立ちまして。