「スピリット・エボリューション!」
「アグニモン!」
「ミッシング・スピリット・エボリューション!」
「スターブライトソードモン!」
視界が開けると、俺のすぐ後ろに見慣れないデジモンが立っていた。
身長はアグニモンより少し高い。時代劇に出てきそうな
「これがキラの世界の伝説の闘士ってわけか」
俺が敵に目を戻しながら言うと、
「まあね。時間があれば詳しく説明できるんだけど。今は戦いに集中するよ!」
「言われなくても!」
俺とSBソードモンがそれぞれの敵に向かって駆けだした。
俺が距離を詰めるのを見て、スカルサタモンがにやついた。
「俺達三兄弟の話を聞いてないのか? ヒューマンスピリットで倒せる相手だと思ったら大間違いだぜ!」
言い終わると同時に杖の先を向けてくる。
「《ネイルボーン》!」
先端の黄色い宝球から電撃が放たれる。
俺は横にステップを踏んでかわす。
息つく暇もなく、杖が目の前に迫る。
俺は後ろに跳んで、距離を取る。
フットワークを活かして、俺は回避に集中した。
「隙あり!」
スカルサタモンが杖を横に振った。杖のかぎ爪が俺の足を捕らえる。
「くっ」
勢いをそがれて、俺はその場に転がされた。スカルサタモンが俺に宝玉を向けた。
「《スターダスト・スラッシュ》!」
光る斬撃と共に、スカルサタモンが視界から吹き飛んだ。
その向こうには剣を振り抜いた姿勢のSBソードモン。
「どうした? 敵にやられてたんじゃ勝負にもならないぞ?」
俺は顔をしかめて立ち上がると、両腕に炎を込めた。
「《バーニングサラマンダー》!」
炎がSBソードモンの横を駆け抜ける。
ちょうどSBソードモンを殴ろうとしていたスカルサタモンが、炎の球にのけぞった。
少し驚くSBソードモンに、俺はにやりと笑った。
「これで貸し借り無しだな」
俺の言葉にSBソードモンも笑う。
「そうみたいだね。……さて、そろそろ終わりにしようか」
SBソードモンの言葉に、スカルサタモン達が呆れたような声を出した。
「『終わりにする』だあ? 俺達に大してダメージも与えられてないお前達が?」
「ちょっと様子見てただけだよ」
俺は答える間にも右足に炎を集中させていた。
「《バーニングシュート》!」
狙い澄ました一撃が、スカルサタモンの杖を弾き飛ばした。
敵の攻撃は全部あの杖を使っている。それなら。
「武器さえ奪えばこっちのもんだ!」
スカルサタモンの顔に焦りの色が浮かぶ。
SBソードモンが剣を握り直す。
「まあ、俺の方は武器を奪うまでもないけどね。前のスカルサタモンと同じだって分かれば、後は一番強い攻撃で叩くだけ!」
俺とSBソードモンの体がデジコードに包まれた。
「スライド・エボリューション!」
「ヴリトラモン!」
「ミッシング・スライド・エボリューション!」
「エクストリーム・ムーンドラモン!」
俺の横に二本足で立った白いドラゴンが現れた。立ち姿はヴリトラモンに似ているけど、全身が白い鱗に覆われていて、映画か何かにでも出てきそうな外見だ。
ちょっと気に入らないけど、俺とキラの考えている作戦は同じらしい。
つまり、ビーストスピリットの勢いで一気に決める!
「《フレイムストーム》!」
「《マリンライト・ストリーム》!」
敵を炎の渦が包み、蒼い光が貫いた。
「ビーストスピリットごときに……」
「……俺達がやられるだと?」
最後の言葉を残して、スカルサタモン達にデジコードが浮かび上がる。
「後は任せてよ」
キラがSBソードモンに戻って、デジヴァイスを手に取った。
「荒ぶる星月の輝きが、暗黒に沈みし悲哀の心を浄化する! デジコード・スキャン!」
二つのデジタマが夜空に消えていった。
俺達も進化を解く。
「さて、勝負は俺の勝ちかな?」
「はあ!?」
キラのセリフに、俺は反射的に叫んだ。
キラが伸びをしながら笑う。
「だって、俺の方がとどめさすの速かったし」
「どう見たらそうなるんだよ! デジコードが浮かんだのは同時だっただろ!」
噛みつく俺を、キラは面白がってるみたいに笑って見ている。
うー、からかわれてるみたいで何かむかつく!
「信也! キラ!」
純平が大声を出して走ってきたのはその時だった。全速力だし、焦っているように見える。
「よかった……ここにいたのか……」
俺達のそばに来て、必死に息を整える純平。
「何かあったのか?」
俺が聞くと、純平は息をつきながら頷く。
「城に敵が攻めてきたんだ。二人にも手伝ってもらわないと……」
「でも敵なら今俺達が」
キラが言いかけて、何かに気づいて目を丸くした。
「しまった、陽動作戦だったんだ!」
純平も息が整ってきて、顔を上げた。
「ああ。キラと信也が戦っている間に、反対側から攻め込まれたんだ」
そう言われてみれば、俺達にわざわざケンカを売ってきた時点でおかしかった。
だって敵の目的は――。
「木のスピリットだ! 木のスピリットが危ない!」
俺の声にキラと純平が顔を引き締めた。
「友樹とトモヒロ達が先に戦ってくれてる。俺達も早く!」
純平の言葉に急かされて、俺達は城の反対側に走り出した。
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あれ? キラさんと信也って案外チームワークがよ←「よくない!」by信也
さいですか……。
あーっ! やっぱりというかなんというか、友樹サイドの話まで入れなかったっ!
アレ書きたいコレ書きたいってやってるとどんどん長くなります……。
うーん、あと2話でまとめたいなあ。(願望)
P.S.キャラ紹介の記事の信也の絵を差し変えました。前よりは良くなったと思うんだ、うん。