このブログをお読みくださっている皆様、あけましておめでとうございます。
今年も星流の拙作をお楽しみいただければ幸いです。
さて、お正月にもUPするとほざきながら、既に元日は過ぎ去りました。
こんな星流でも年末年始は忙しいのです、ええ。
ということで(?)、お正月特別編その1です。
一応フロ02の世界観ですが……キャラ崩壊と若干の世界観崩壊が起きます。ご注意ください。
―――
通常デジモンは、寿命を終えて死を迎えるとデジタマに戻り、始まりの町で生まれ変わる。
一方戦いで命を落としたデジモンの魂はダークエリアと呼ばれる場所に送られる。ここで再び生まれ変われるかどうかの審判が行われるのだ。
そのため、審判を待つデジモンは今後の運命を恐れ、震えて過ごしている。
……はずなのだが。
「うー。相変わらずオロチモンは酒に強いわねえ。新年くらい勝ってやろーと思ったのにい」
頬を桃色に染めたメルヴァモンが唇をとがらせる。定まらない視線の先には、何十杯目かの酒をあおったオロチモンがいる。こちらもすっかりアルコールが回っていて、もはや白ヘビというよりピンクヘビである。
オロチモンがしゃっくりをしながらメルヴァモンを見下ろす。
「いくらウェヌスモンのデータを取り込まれたといっても、ヒック、やはりお酒の強さでは私の方が上ですなあ……ヒック」
「十二神族の私があんたに負けるですってえ? まだまだあ!」
メルヴァモンがそばにあったグラスをつかんで地面を叩く。
それが合図になったかのように、イビルモン達が慌てて次の酒をメルヴァモン達に運んでくる。
既に二人の周りには、勝負で飲みほした酒の空き瓶が何本も転がっている。
彼らは新年の酒盛りの最中である。
イビルモン達は二人に声が聞こえない所まで後ずさると、真剣に話し合い始めた。
「もう酒がほとんど残ってないぞ」
「それを知ったら、二人が何て言うと思う?」
「あのミネルヴァモン――じゃなくてメルヴァモン様の事だ。『酒で勝負がつかないなら剣で勝負だ!』とか言いだして」
「オロチモンも美人のメルヴァモン様と戦えるのなら嬉々として戦い始めるに違いない!」
「もしそうなったら……」
顔を見合わせるイビルモン達の顔が青くなる。
「「「俺達だって巻き添えになる!」」」
イビルモン達の頭の中には、メルヴァモンの《マッドネスメリーゴーランドDX》で吹き飛ばされるイビルモンや、オロチモンの《酒ブレス》でぐでんぐでんになるイビルモンの姿が次々と浮かんでいく。
「とにかく酒を飲んでいる内に勝負をつけてもらわねば!」
「しかし、どうやって?」
全員が腕を組み、うなりながら考え込む。
一体がちらりと後ろを振り向きながらつぶやいた。
「マルスモン様が元気なら力ずくでもあの二人を止めてくれたのに……」
その言葉に、全員があわれみの目を同じ方向に向ける。
視線の先では、マルスモンがうつぶせになって倒れて――いや、酔いつぶれていた。
このマルスモン、実は
何しろ、メルヴァモンにすすめられた酒を3センチばかり飲んだだけで引っくりかえってしまったのだから。
酒盛りが始まってすぐにこのありさまで、今もまだ起きる気配がない。もちろん、相談などできる状態ではない。
戦いの場以外では全く役に立たない上司に、イビルモン達は一斉にため息をついた。
「おお~い! 次の酒はまだかあ!」
オロチモンの大声に、イビルモン達が跳び上がった。
見ると、桃色を通り越して真っ赤になったオロチモンとメルヴァモンが空の瓶を振り回して呼んでいる。
イビルモン達は再び顔を突き合わせて話し合う。
「どうするんだよ!?」
「いざとなったら……我々の《ナイトメアショック》で眠ってもらおう」
「いいのか? 『初夢をどうしてくれる!』って後でボコボコにされるぞ」
「その時は……」
「その時は?」
「マルスモン様に盾になってもらおう」
自分を犠牲にする話が横で進んでいるとは知らずに、マルスモンはぐっすりと眠りこけていた。
―――
信也「おい星流!」
お、あけましておめでとう。
信也「おめでとう……じゃなくて! 新年最初の更新で主人公の俺が出てこないってどういう事だよ!」
今年はへび年だから、負けたへびの話でも書こうかと思ってねー。
信也「しかもグダグダな話だし……。これでお正月特別編を終わらせる気じゃないよな? ちゃんとタイトルに『その1』って書いてあるし」
えーと、その前にアバレンジャーの最終回を見に――。
信也「そんな暇あると思ってるのか?」←デジヴァイス準備
えっ、ちょっ、そんな殺生なこt(音声が途切れたようだ)