第21話 白熱の果てに! 折れる柱 | 星流の二番目のたな

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デジモンフロンティアおよびデジモンアドベンチャー02の二次創作(小説)中心に稼働します。たまに検証や物理的な制作もします。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。

……暑い。日中ずっと頭痛がしてました……。今は改善しましたけど。

みなさんも熱中症にはご注意くださいね。


そういえば、前回で20話到達でした!(←気づいてなかった)

予定は未定ですが、構想的にしばらく続きそうです。水のエリアでやりたい事とか、光のエリアでやりたい事とか、その他もろもろ妄想が膨らんでいるので。


っと、その前に鋼のエリアの決着をつけないとですね!




☆★☆★☆★



「げほっ」
 胸を押さえてなんとか立ちあがる。息が苦しい。

 そこにマルスモンが歩み寄ってくる。

「《ウィンドオブペイン》!」

「むっ!?」

 風が吹き荒れて、マルスモンがひるんだ。
 その隙に、キャタピラの音を立てながら、ボルグモンが滑り込んできた。

「つかまれ!」

 俺は言われるままに、ボルグモンの角にしがみつく。

 ボルグモンはキャタピラを逆回転させて、マルスモンから距離を取った。


 そこで、乱暴に地面に振り落とされた。


「いってえ……」

「ったく、先輩の言う事聞かずにつっこむからだろ!」

 ボルグモンが叱ってくる。

「メタル何とかの方は封じたんだからいいじゃねえか」

 俺はちょっとしかめ面になりながら答えた。

 ボルグモンがため息をつく。

「いきなりつっこんでいく上に反省しない所、さすが拓也の弟だよな……」

「『拓也の弟』って言うな! しかもこの状況でかよ!」

 俺達のそばではブリザーモン達がまだ戦ってるってのに。

「それだけしゃべれれば大丈夫そうだな。後は任せとけ」

 ボルグモンはそう言って、戦いの方に戻っていった。

「待って! 俺も――」

 歩き出そうとすると、また胸に痛みが走った。こんなんじゃ、激しい動きはできない!

 俺は奥歯をかみしめながら戦いを見守るしかなかった。



「こっからは中学生組の出番だぜ!」

 ボルグモンの肩に、雷の力が集まる。

「《アルティメットサンダー》!」

「くらうか!」

 マルスモンが跳んで避ける。

「空なら私に任せて!」

 上にはシューツモンが待っていた。

「《ギルガッメシュ・スライサー》!」

 両手と足の先から赤い光の球が生まれる。シューツモンがマルスモンの横を飛ぶと同時に、それがマルスモンを切り裂いた。

「ぐっ!」

 マルスモンが体制を崩して落ちる。

「まだまだ! 《シュヴァルツ・ドンナー》!」

 カイザーレオモンの口から放たれた黒い球が、マルスモンを捉える。

 マルスモンは反射的に顔をかばう。


 そう。両手で。


 カイザーレオモンの必殺技を受けたグローブが、データに分解され、散った。

「やったあ!」

「やるじゃん!」

 ブリザーモンと俺の声がかぶった。

「なるほど……我が武器を封じるとは、考えたな」

 マルスモンがよろめきながら立ち上がる。

「あいつ、まだ立てるのかよ!?」

 俺の叫びに、マルスモンがにやりと笑う。

「我が本領が武器を失ってからだという事、お前らなら知っているだろう。我に負けなどありえん!」


 次の瞬間、マルスモンの姿が消えた。


 そして、ブリザーモンが吹き飛んだ。


「うわっ!」

「っつ!」

 俺のすぐ横に叩きつけられるブリザーモン。進化が解ける。

「大丈夫か!」

「あいつ……急に速くなった!」

 友樹が苦しそうな声で答える。

「そうか。武器の重みで、本来のスピードが抑えられてたのか」

 それなら急にすばやくなったのも納得できる。

「メルキューレモンが言ってたのは、この事だったのね」

 シューツモンが身構える。

「この速さにはついてこられまい」

 マルスモンが笑い、再び姿が消える。

「《コロナサンクションズ》!」

「ぐっ!」

「あっ!」

 カイザーレオモンとシューツモンが吹き飛ばされ、二人の進化が解けた。

「くっ。輝二なら……光の闘士ならあの速度にもついていけるのに」

 輝一が悔しそうに顔をゆがめる。

「ないものねだりしてもしょうがないだろ! 今は俺達でやるしかない!」

 ボルグモンが構える。

「最後はお前だ」

 マルスモンがボルグモンに向かって言い放ち、また姿を消す。


 どこだ? どこにいる?

 時々風を切る音がする。でも相手を視界にとらえられない。

「ボルグモン――!」

「黙っててくれ!」

 ボルグモンが鋭く叫ぶ。そして背中を建物の壁につけた。

 ボルグモンが両手を地面に着く。


「例え姿は見えなくても――」


 背中から照準装置が起き上がる。

 

「俺が狙いなら来る場所は分かる!」


 角の先から雷の力がほとばしる。


「《フィールド……デストロイヤー》!」


 それは正面から殴りかかろうとしたマルスモンを捉えた。


「ぐはっ!」


 マルスモンが吹き飛び、地面に倒れた。

 そして体に一輪のデジコードが浮かび上がる。


「俺達の勝ちだな」

 ボルグモンが宣言した。




☆★☆★☆★




信也「よーっしゃ勝ったあ!」


純平「俺の手柄だな!」


信也「長靴凶器を壊したのはお・れ・だ」


純平「でもその後やられてんじゃねえか」


信也「でも純平が勝てたのは俺のおかげだろ?」


泉「もう、またけんかしてる……」


輝一「そんなことより、早く輝二達の事を聞き出さないと」


友樹「オリンポス十二神族が襲ってきてる理由も、だね」