福島県全市町村を書道をしながら廻る旅が始まり、南相馬市には、どんな歴史や文化があるのかなと調べていたら、一人の切り絵師の存在を知りました。
失礼を承知で伺うと、素敵な絵師、渡部さんが出迎えてくれました。
切り絵は、書道と同じく白と黒が基調で、そこに絵心と、色彩が加わります。
35年というキャリアの渡部さんの切り絵は、線に迷いが無く、モダンで素敵です。
18歳の時、漫画家を目指して上京、夢は叶わずに故郷に戻ってきたそうですが、そんな時に出会ったのが、切り絵だったと言います。
人生と芸術に対する足跡がすべて作品に表れていました。
渡部さんの人生を文字にしたいと思い、「夢芽」(ゆめ)と書きました。
その字を切ると、毛筆では生まれない、潔い直線に。
一度は夢に破れても、新たな夢が芽生え、その芽は大きくなり、花となる。
いつか夢芽が出るその日まであきらめないことが、大切な気がします。