保護司、っていう職業があることを
初めて知った。国家公務員でありながら
非常勤で無給。何か強い志がなければ
務まらない。罪を犯した者が更生し
社会に送り出すことをサポートする
仕事だ。犯罪者、と言っても一括りには
出来ない。それぞれの事情があり、
それぞれの気持ちがある。それを
受け入れ寄り添う事の難しさは
並大抵のことではない。
映画「ショーシャンクの空に」で
モーガン・フリーマンが出所した後、
シャバの生活仕事に馴染めず死のうと
考えていた、あのやり切れない気持ちが
蘇る。寄り添ってくれる人がいれば…。
有村架純演じるこの保護司ほどのひとが
いてくれれば、どんなに心強いか。
それでも森田剛演じる前科者が保護観察
期間の終了を目前にしたにも関わらず
突然姿を消して犯罪を匂わせる行動を
とった事を知った時には、どんなに
いたたまれない気持ちになったことだろう。
ひとには、必ず過去があり、それが
繋がって現在に至る。その昔何があったのか、
そして今どういう気持ちで生きているのか、
なんて他人にわかるはずもないし、
正確に伝える術もない。
ひとに寄り添って信じなければ
成り立たない仕事って、ほんとに辛い。
裏切られた時が。
でも、その反面、分かり合えた時には
何にも変え難い喜びになる。
人として人に出会い、人として人に傷つき、
人として人に迷い、人として人と別れて、
それでも人しか愛せない。
何かの歌詞のようだ。
2023年の作品、WOWOWにて。