「祖国と青年」10月号のテーマは、「御即位奉祝と大嘗祭」で、特に大嘗祭に焦点を当てています。
大嘗祭については、本誌においても、4月号の茂木貞純氏の講演録「御代替りと皇位継承の伝統」、また、勝岡寛次氏の短期連載「大嘗祭の歴史と祈り」に詳しく論じられています。
それにさらに付け加えるべきことなどないのですが、ただ、研究者の論文ですので、勉強している方には興味深く、読みごたえがあっても、初学の方にはなかなか取っつきにくい、という側面もあるかと思います。
そこで、本誌10月号で大嘗祭について取り上げるのに際して意を用いたのは、大嘗祭がなかなか頭に入ってこないという読者と、茂木氏、勝岡氏の論文とをつなぐ、言わば両者の架け橋となるような誌面を作れないだろうか、ということでした。
「大嘗祭とは何か」から入るのではなくて、「天皇とは何か」「日本の国柄とは何か」という問題意識から大嘗祭の意味を考えてみよう、という試みです。私たちの心に「大嘗祭」を甦らせるために、どのようなアプローチを踏めばよいのか。
そんな問題意識で鈴木編集長がメインの記事を書いていますが、繰り返しますが、これはあくまで架け橋の役割にすぎません。これを踏み台にして大嘗祭への問題意識を持っていただき、茂木氏、勝岡氏の論文でじっくり学んでいただけたら、というのが、私たちの願いです。