昨日ご紹介した皇后陛下のお言葉の中で、「生前退位」という表現で報道されたことについて「衝撃は大きなものでした」「それまで私は、歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」とのご指摘がありました。
その背景について、昨日の読売新聞は「関係者によると、ご一家や政府の間では『譲位』という表現で検討されていた」と説明しています。もしそうであるならば、皇后陛下が「生前退位」という言葉に驚きと痛みを感じられたことも理解できます。
これまで「生前退位」「退位」「譲位」という言葉が、どのレベルでどう使われてきたのかはっきりしなかったので、特に表現を限定してきませんでしたが、これからはマスコミの表現に引きずられることなく、「譲位」という言葉を使うのがよいようです。読売の同じ記事は「陛下は『譲位したい』と表明された」とはっきりと書いています。
なお、陛下が譲位のご意向を示されたのは6年前の平成22年7月22日の参与会議においてであった、とのことです。
また、皇后陛下は「私は以前より、皇室の重大な決断が行われる場合、これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり、その配偶者や親族であってはならないとの思いをずっと持ち続けておりました」と述べておられますが、陛下、皇太子殿下、秋篠宮殿下は、皇后陛下の発案により月1回ほど御所で皇室に関わる事柄について話し合ってこられたそうですが、その場に皇后陛下は出席されず、話し合いが終った後に昼食を囲まれるのを常としておられたそうです。