「祖国と青年」10月号、今月の主張 | 月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

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青木聖子とその仲間たちが、『祖国と青年』や日本協議会・日本青年協議会の活動を紹介したり、日々考えたことを綴ったりします!
(日本協議会・日本青年協議会の公式見解ではありません。)

 「祖国と青年」10月号の巻頭言は、「二重国籍問題はGHQによる占領遺制」と題して、別府正智さんが書かれていますので、以下、ご紹介します。

 


 なぜ民進党代表が二重国籍ではいけないか

 

 九月十五日に民進党代表に選出された蓮舫氏のいわゆる二重国籍が、党代表選挙において問題となった。蓮舫氏は日本国籍とともに台湾籍を持っていたが、代表選期間中はその事実を隠して虚言を駆使し、野党第一党の代表となった。


 当初は「台湾籍は抜いた」「噂の流布は本当に悲しい」と強弁していたが、過去の新聞や雑誌で「国籍は台湾」「(私は)在日の中国国籍」との発言が暴露され始めると「雑誌、新聞の編集権は私にはない」等と嘯き、それでも自らの非を認めなかった。そして、いよいよ嘘を突き通せないと見るや、代表選地方票の郵送締切十二日が過ぎた翌日に、台湾籍離脱に必要なパスポートが「家の中をひっくり返すように探して、やっと出てきました」と述べ、台湾籍が残っていることをようやく認めた。国民を愚弄するにも程がある。


 今回の二重国籍問題は様々に語られているが、筆者が一番危機感を抱くのは国家の統治権の問題である。民進党は野党第一党である。一般論として、野党第一党の代表は政権交代が行われた場合、総理大臣になる可能性が極めて高い。総理大臣は我が国の自衛隊の最高指揮権を持つ。それゆえ、仮に二重国籍を持つ国家同士、或いは国籍の周辺諸国が戦争状態になった時に、総理大臣の指揮権がいずれの国家の為に用いられるのか、極めて重大な問題となる。アメリカ大統領が二重国籍を認められることがあり得ないように、国軍の最高指揮権を要する存在が自国以外の国籍を持つことは、本来あり得ない。


 蓮舫氏の周辺関係者に、中国共産党と距離が近い人物が居ることは、以前から指摘されており、自らが「台湾は国家ではない」と述べている様に、たとえ台湾籍とはいえ、大陸側の人物であることは間違いない。このような人物が野党第一党の代表となるような我が国の公職選挙法は、直ちに改めなければならない。


 民進党の岡田前代表は「民主党は多様性を尊重している。父親が台湾出身で、女性。多様性の象徴でもある。党の代表として、ふさわしいと思っている」などと弁護したが、論外である。ことは国家の統治権に関わる重大事である。民進党の現状から見て、蓮舫氏が総理になる可能性はほとんどないが、このような危険性を今後に残してはならない。


 今回の問題について、民進党内からも国籍法第十四条「外国籍を有する日本国民は、二十二歳に達するまでに、いずれかの国籍を選択しなければならない」に違反しているとの声が上がっている。また日本維新の会が秋の臨時国会において、国会議員や国家公務員が二重国籍を持つことを禁じる法案の提出を検討しているとのことである。今国会での速やかな改正を期待したい。

 

 今なお我が国を拘束し続けている占領遺制

 

 そもそも何故このような事態が起こってしまうのか。作家の山村明義氏によれば、この問題こそまさに占領遺制に起因すると云う。現在の公職選挙法は、占領期間中の昭和二十五年四月に改正されたものだが、本来違法である二重国籍を持つ日本在住の外国人における被選挙権は、GHQの指令による公職選挙法改正によって事実上許可されるようになった。GHQによる占領下の改革により我が国は、蓮舫氏のように、日本の国会議員、そして閣僚クラスにまで二重国籍者が存在するという、異常な事態に立ち至っているのである。


 この他、GHQが命令を下し、法律と同等、あるいはそれ以上の効力を持つ「ポツダム政令」なるもので、今なお生きているものは多い。その数は、驚くことに四十以上にものぼる。


 八年前、修学旅行などの学校行事において、靖國神社や護国神社の訪問が禁止されてきた背景にGHQの通達があり、それが学校教育現場において、戦後半世紀以上にわたって効力を発揮し続けていたことが明らかとなった。いわゆる「昭和二十四年文部次官通達」である。長崎県議会での教育長答弁に始まり、国会にまで取り上げられた問題で、文科相が改めて通達失効を明言した。これは法令ではなく、あくまで通達ではあるが、かかるGHQの指令が、戦後の長きにわたって実際に学校現場を拘束していたのである。


 今回の二重国籍問題も、「日本弱体化」の制度設計である占領遺制の効力が今なお続き、我が国を拘束し続けていることを改めて浮き彫りにした。占領遺制の最たるものが、国家体制の基礎を再プログラムした「日本国憲法」である。今なお我が国を拘束し続けるポツダム政令を見直されなければならないのと同様に、GHQの指令によってつくられた日本国憲法も、独立国家に相応しいものに正されなければならない。


 秋の臨時国会では、憲法改正論議を大いに進め、国会発議への道が切り開かれることを強く望む。そして、国民の手で占領遺制からの脱却を図る憲法改正を成し遂げ、一刻も早く自立国家の再建を果たさなければならない。