先ほど、天皇陛下の国民に向けたお気持ちを表明したビデオが、テレビ等で流されました。
陛下がこのような形で国民にメッセージを送られるのは、他に東日本大震災時に例があるだけで、それだけ重いものだったと思います。
私もテレビで拝見して、厳粛な思いになりました。
これまでNHKの先行報道によって、「生前退位」という言葉だけが飛び交っていたわけですが、陛下ご自身がどのように考えておられるかが、はっきりとしました。
陛下は、いわゆる「ご公務軽減」や「摂政による代行」に対して否定的な考えを表明されましたが、それは「天皇としての役目を十分に果たすことができない」という理由だけでなく、天皇がご不例になると「社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます」――つまり昭和天皇のご不例の際に見られたような様々な活動の自粛という事態を避けたい、というお気持ちがあられたことが明らかとなりました。
また、天皇の崩御に際して、喪儀に関する行事と新時代に関する行事が同時に進められることに関しても、「行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません」とお気持ちを吐露されています。
「我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」と最後に述べておられますが、こうした陛下のお気持ちに国民としてどのようにお応えできるのか、簡単に結論の出る問題ではないと思いますが、あらゆる叡智を結集しなければなりません。