インドの日本への期待 | 月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

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青木聖子とその仲間たちが、『祖国と青年』や日本協議会・日本青年協議会の活動を紹介したり、日々考えたことを綴ったりします!
(日本協議会・日本青年協議会の公式見解ではありません。)

 「祖国と青年」1月号は、両陛下のインドご訪問に合わせての現地レポートが掲載されています。


 その中の増永友嗣さんのレポートから、ネルー大学のプラバカール教授の日本への期待の声を紹介します。



 十二月二日、私たちはニューデリーにあるジャワハラール・ネルー大学のH.S.プラバカール教授を訪れた。教授は、同大学の東アジア研究センター次期センター長で、日本について研究している。一月二十六日に安倍総理がインドを訪れるが、その際、ネルー大学に安倍総理を招き、講演の場を設けたいと語っていた。


 プラバカール教授は、今日のインドの日本に対する最大の関心事は、日印原子力協定であるとして、次のように話した。


「インドは大変停電が多い国です。それに日本は、原子力を日常レベルで有効に活用する技術を持っています。ですから、インドとしては日印原子力協定を結び、日本の技術を生かしながら、原発開発を進めたいと考えています」


 更にプラバカール教授は、「安倍総理が日本の原発技術のレベルの高さを海外に宣伝し、原発を海外に輸出しようとしていることは、日本にとってはビジネスチャンスでもあるし、海外にとっても有効利用できる」と評価した。


 実際、東芝の傘下にある米原発メーカーのウェスティングハウスはインドでの原発開発に意欲を示している。同社は、空冷式の原子力発電技術を持っており、従来のような大量の冷却水を必要とせず、核燃料を空気で冷やすことが出来る。つまり、停電が日常茶飯事で、電力不足に悩むインドにとって、デカン高原の内陸部においても空冷式ならば、原子力発電所を建設をすることが可能となるのだ。


 また、プラバカール教授は、インドが経済発展を遂げていく中で、日本にとってのインドの存在感が増したのではないかと話す。


「これまで日本は、インドをアジアの中の一国としかみていませんでしたが、最近はインドとしての存在感が高まり、関係も緊密になっていっているように感じています。
 中国は核を持っています。また政治、経済、軍事の力を増加させています。インドと中国の国境ではトラブルがあります。日本は尖閣諸島で中国とトラブルを抱えています。
 日本とインドが連携しようとした時に、こうした共通の課題を抱えていますし、歴史認識などで障害となるものはありません。中国にしてみれば、日本とインドがより強固な友好関係を結ぶことは、敵対勢力が大きくなるに等しい。また、このような時期に安倍さんが総理ですし、両陛下がインドにお越しになりました。
 私は、今こそ日本とインドが協力関係を深めていく、よいチャンスだと思っています」


 様々な分野で世界最高水準の技術力を持ち続けている我が国だが、石油などのエネルギー資源を安定的に確保する必要があり、そのためには中東からインド洋を通って我が国に至るシーレーンの安全確保が重要だ。つまりエネルギーの安定供給のためには、日印関係の発展が必要なのだ。


 経済発展を遂げていくためにもインドは重要だ。意外かも知れないが、インド南部のバンガロール、チェンナイ(旧マドラス)を中心にIT産業が発達しており、経済市場もこれからどんどん大きくなっていくことが予想されている。


 インドの経済発展への期待から平成二十五年五月、安倍総理はインドのマンモハン・シン首相と会談し、安全保障の連携強化と原子力協定の交渉再開、経済的な関係強化を行っていくことを合意している。