ベトナムからの日本への期待 | 月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

青木聖子とその仲間たちが、『祖国と青年』や日本協議会・日本青年協議会の活動を紹介したり、日々考えたことを綴ったりします!
(日本協議会・日本青年協議会の公式見解ではありません。)

 「祖国と青年」12月号では、ベトナム視察レポートが掲載されています。


 大葉勢清英さんの記事の中から、日本への期待の声をご紹介します。



 ベトナム外交学院のホアン教授は、安倍政権への期待を次のように述べた。


「安倍総理は、外交をきちんとされています。日本の歴代総理でも有数の外交重視の方で以前よりも日本の立場が鮮明になりました。就任以降短期間でベトナムを始めASEAN諸国、アメリカ、モンゴル、中東、トルコ、アイルランドなどをまわられましたが、特に中国の近隣諸国を重視してまわられる方は今までいませんでした。もし中国が圧力をかけてきたとき、日本は外交の努力を以て対抗することができます」


 そして日本の憲法改正の動きについてどう思うかを伺ったところ、個人の考えとして次のように述べた。


「二十年前に日本が憲法改正の話をするといろいろな国々が心配し、ベトナムも心配したでしょう。しかし、今は状況が変わり、改めて考えるべき点があると思います。
 まず憲法の平和の理念は日本人の心に強く色濃く残っていると思います。憲法改正しても日本は自ら戦争を起こしたり、アジアの軍事的な脅威にはならないと思います。
 また、現在の状況を鑑みると日本の防衛予算は低く、予算を一時的にでも早く上げることが重要です。そうすれば、地域の安全と平和を守ることにも貢献できると思います」


 ホアン教授は、憲法改正に理解を示し、中国の軍事力の台頭を見据えて日本の防衛予算の向上、安全保障分野も含めたアジア地域への貢献に期待を寄せたのである。
 また、ダナン外務局のマイ・ダン・ヒュウ副局長は、国際貢献ができる国軍を持ち、アジアの紛争解決にも貢献できる日本となってほしいとの期待を述べた。


「この十年ほどで、安倍総理など日本の政治家が自らの政治生命を懸けて自衛隊から国軍にしようとする動きが出てきました。一九九一年の湾岸戦争の時は日本はお金だけの支援でしたが、将来の国連の紛争解決にも貢献しようとしているのだと思います。国軍にすることは日本民族としての主権の行使だと思います。

 日本は経済規模で第三位と言われていますが、実質的な国民一人一人の経済力では一位だと思います。日本は経済的に発展するほど主権も行使できなければなりません。日本には国際的な立場があり、義務があります」


 ホーチミン市で日本留学の最大実績を誇るドンズー日本語学校のグエン・ドック・ホーエ校長は、「日本の精神に触れさせ、ベトナムの指導者を生み出したい」と切望する。


「日本は、自分のために相手を搾取する欧米の国々とは違い、『人を思いやり相手のことを考えて一緒に行動する』という精神を持っています。日本には単なる利害関係ではなく兄弟としての関係を持ってほしい。アジアの一番のお兄さんは、自分の弟妹に責任があります。
 日本に送り出す学生には、単に日本のビジネスや優れた技術だけを得て帰国してほしくはない。もっと日本の精神を会得してもらい、そこからベトナム国家の将来を担う指導者を生み出したいのです」


 安倍政権の誕生と共に、特にベトナムの指導者の中でアジアを牽引する日本の安全保障、外交、経済、精神文化への期待が高まっているのを感じた。中国による覇権主義の野望を挫く「強い日本」を待望するアジアの声をしっかりと受けとめ、尖閣諸島と共に南シナ海を守る防衛・外交政策を展開していかなければならない。