両陛下は明日、インドご訪問へご出発されます。
ご訪問中のご無事を祈って、私たちは明朝、二重橋前にお見送りに行って参ります。
実は、両陛下のインドご訪問に先立って、昨日「祖国と青年」編集部の三荻祥さんがインドに向かいました。現地で奉迎するんだといって、小旗もいっぱい持っていかれました。
現地取材の成果は「祖国と青年」1月号に掲載予定です。
以下、昨日発表された陛下のご感想全文をご紹介します。
昨年、日印国交樹立60周年を迎え、この度、皇后と共に、インドを訪問することになりました。私どもがかつてインドを訪問したのは、プラサド大統領が国賓として日本を御訪問になったことに対する答訪の時で、私どもの結婚1年後の今から53年前のことになります。当時は国事行為の臨時代行に関する法律がなかったため、天皇が国を離れることができず、心苦しいことではありましたが、天皇の名代として私が答訪した次第です。
デリーにおいて、プラサド大統領、ラダクリシュナン副大統領、ネルー首相が丁重に迎えてくださったことが懐かしく思い起こされます。インドの独立に至る日々、またそれ以後の年月、様々な困難を克服し、国を率いてこられたこれらの方々に、20代半ばという若き日にお会いしたことは、私どもにとり誠に意義深いことであったと思います。皇后はかつて学生時代にネルー首相の「父が子に語る世界歴史」に出会っており、ネルー首相との会話は非常に心に残ることであったと思います。この訪問で、私どもは東はコルカタから西はムンバイにわたる各地を訪れ、歴史や文化に触れ、インドへの理解を深めることができました。また、多くの人々から温かく迎えられたことも深く心に残っています。
それから半世紀以上が経ちました。先の訪問時、私どもが建設の儀式に携わったインド国際センターは立派に完成し、運用されており、この度、再び訪問することになっています。かつて外務大臣の時にお会いしたムカジー大統領閣下やシン首相に再びお会いすることと共に、この度の訪問で楽しみにしていることの一つに挙げられます。
インドは独立以来民主主義を堅持し、国を発展させてきました。今日インドはIT産業を始め、様々な分野で発展が著しいと聞いています。この度の訪問がインドへの理解を更に深める機会となることを期待しています。両国民が互いに切磋琢磨し、両国が相携えて発展していくことを願ってやみません。