まなかひに原爆ドーム薔薇芽吹く

朝妻 力

 

 

先日、Youtubeで、原爆資料館を見学した「コロンビア人」の言葉が気になっている。

原爆の事については以前に書いたことがある。

 

 

ようするに原爆投下がなかったら、ソ連の日本侵攻が進み、北方四島どころか、東日本が占領されていた可能性があり、東北・関東がソ連に占領され、今の北朝鮮や韓国のように日本が分断されていたかもしれない、ということだ。

こういうことを書くと被爆された方々に大変申し訳ない思いがあり、非国民の誹りを受けそうだが、一方、未来の為に、そういう客観的で冷静な考えを持つことも必要ではないか、と考えたりする。

 

ところで、その「コロンビア」だが「コロンビア内戦」が続いている。

もう50年以上続いている内戦であり、約45万人が死亡、約8万人が行方不明、約740万人が難民化している。

政府軍、左翼ゲリラ、極右民兵の三つ巴の争いで、そこに麻薬問題が絡まり、泥沼化しているのである。

で、そのコロンビア人が何を言っていたかというと、おおよそ、

 

日本には原爆という悲劇があり、何十万人がいっぺんに亡くなった。

しかし、終戦したことで今のような経済発展し平和で豊かな国家となった。

コロンビアは原爆のような悲劇はない。

しかし、その為に50年以上も闘いが続いている、50年だぞ…。

今も人が死んでいて、いつまで経ってもコロンビアは豊かにならない。

…いったいどちらが正しいのだろう、私にはわからない。

 

ということだった。

この人は、日本はマイナスとして「原爆という悲劇」、プラスとして「日本の戦後の豊かさ」、コロンビアにはマイナスとして「50年以上経っても内戦が終わらない」、プラスとして「原爆のような大量殺戮を経験していない」があり、それを並列的に比較している。

そして、どちらがいいのか…、と悩んでいる。

 

もちろん、もっといい方法、賢明な方法があるはずだが、なかなか実現できないのが現状だ。

何を言いたいかというと、もっともっと人間は学び、賢くなり、そして「我欲」を捨てていくしか平和はない、ということかな~、と思う。

 

 

 

林誠司~句会、講座一覧