(神奈川県横須賀市長沢)
春の海羽根あるものへ明け渡す
林 誠司(句集『退屈王』)
珍しく鳶の「よい写真」が撮れた。
野比海岸遊歩道を歩いていると、すぐそばに鳶が舞い降りて来た。
とても珍しいことだったので、スマホを向けたら、すぐに海の方へと飛び立っていってしまった。
先日書いたが、この遊歩道はリニューアルされ、いつもより(少しだけだが…)多くの人が集まっている。
まして今日は日曜日…、鳶もこの賑わいに興奮したのだろうか。
それとも人間に「悪さ」でもしようと思ったのだろうか…(笑)。
今日はある結社から依頼されている「作品鑑賞」の原稿を書き上げた。
明日投函する。
もう一つ、句集のゲラ校正をするつもりだったが、一点、間違いを見つけたので、ゲラ修正を業者に依頼した。
このままでもゲラ校正は出来るのだが、なんとなくやる気をなくしてしまい、修正されたゲラが出来てからやろうと思い、やめてしまった。
あとは明日のよみうりカルチャー「芭蕉の五大紀行文」講座の資料を作成した。
まあ、こうしてみると日曜日の割には仕事をしたほうか…。
でも、ドジャースの試合は結果的に全部見てしまったな(笑)。
話は変わるが、人間って見た目だけでわからないものだな~、と大谷翔平の「水原通訳」の事件でつくづく考えた。
あんな「人のよさそうな、純朴そうに見える人」がギャンブル狂いで、しかも無断で他人の金(しかも億単位!)を使うような人間だとは全く思わなかった。
(まあ、真相が明らかになっていないので、断定は出来ないが…。)
最近は人間の善良そうな顔がSNSの発達などにより、簡単に剝がされるようになった。
SNSだと思うが、米軍沖縄基地反対運動をしている老人が、自分たちがどんな思いでこの運動を続けているか、優しい表情で語っていたが、一方でこの老人が、アメリカ人が乗っていた車を強制的に止め、車内のアメリカ人に向かって「死ね!」などと口汚い言葉で執拗に罵っている動画が流出した。
あの柔和な、人の道を説くかのような善人の表情はなんだったんだ。
一時期、安倍総理が決めたIR(統合型リゾート)計画を反対している、ある地域の有力者が話題になった。
「地元をカジノで汚すな!」と主張していたが、実はその人は昔から地元の興行を取り仕切っていた人で、なぜその人が反対しているかというと、政府が、反社勢力をリゾートに介入させない為、何親等までに反社の人がいる場合、カジノリゾート事業には参入させない、という厳格なルールを決めたからであることがわかった。
その人自身は反社ではないようだが、昔の興行師などはほぼ反社とつながりがあったわけで、自身がカジノに参入できない、いわば、何のうまみもなく、既得権益奪われてしまう可能性があるからであることがわかった。
な~んだ、そういうことか…、と思った。
こういうことはなぜかマスコミは知らせない。
基本的にマスコミは左派が多く、米軍基地問題も、リゾートも反対であるから、使えるものは使おうという姿勢なのだろう。
でもそれってマスコミの正しい態度だろうか。
まあ、人間は善人、悪人とはっきり区別出来るわけはなく、善の心も悪の心も、愛の心も冷淡な心も持っている。
善の心が多く出て来た時は善人に見えるし、冷淡な部分が出れば冷淡な人になる。
そういうことなのだろう。
特に独立してから、そういうことがよく見えるようになってきた。
例えば、市内のあるレストランで「現金払いの場合、料金一割引き」としている。
サラリーマン時代は単純に「ラッキー!」と喜んでいたが、独立して自分が確定申告するようになって「あ、この店は脱税しているな…」と考えるようになった。
節税はいいだろうが、脱税はダメだ。
政治に対して不満はもちろんあるが、納税は国民の義務。
義務を果たしていない国民に、もともと政治を批判する権利はないのである。
まあ、その店が本当にそうしているかはわからないが、現金払いを推奨するのは、そうとしか思えないのだが…。
20代の頃までは、人間はみんな基本的に「いい人」だと思いこんでいたが、傷ついたこともたくさんあったし、年を経るごとにどうもそうではないというのがわかってきた。
おそらく多くの人がそういう経験をして大人になってゆくのだろう。
ただ、今の若者は、すでにそうなっていて、なんだか可哀そうな気もする。
若い頃は青い夢を見るものだが、今の若者はその時期が圧倒的に少なく、すぐに大人にならざるを得ないような感じがして、なんか気の毒だ。
そういう青臭い時期をなつかしく思うこともあるが、もうその頃には戻れないだろうな~。
しかし、僕だってもちろん悪の心を持っているが、常に良心と自問しながら少しでもいい人間になれるよう努力し続けたいものだ。
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