■小選挙区と比例区に2票投票する方式は、実質的に1票しか投票していない有権者と2票投票する有権者が出るので憲法違反である。

A政党のa氏と B政党のb氏が拮抗して争っているが、C政党は候補者を立てていない選挙区があり、選挙結果でa氏が当選したとする。

A政党支持者でa氏が良いと考える有権者(相川さん)は、当然a氏とA政党に投票する。この場合、比例区に投票した票はa氏の当選で相殺される。つまり、相川さんは実質1票を投じたことになる。

一方、C党支持の有権者(宇野さん)は、a氏の方がb氏より良いと考え、小選挙区はa氏、比例区はC政党に投票する。この場合、両方の票が選挙結果に反映されるので、実質2票投票したことになる。

有権者ごとに投票数が異なるので法の下の平等に反し 憲法違反となる



■小選挙区の投票が比例区の投票とする方式は、矛盾に満ちた不合理な選択を有権者に迫る場合がある。また、極左、極右のような極端な政策を掲げる政党に有利になる。

上記の例で、C党支持の有権者(柴田さん)が次の2つのいずれかの場合はC政党と書けばよいので簡単である。
(場合1)C政党でなければ絶対にダメである考える
(場合2)A政党のa氏とB政党のb氏どちらが当選しても良い

しかし、b氏の方がa氏より絶対に良いと有権者(柴田さん)が考えた場合は、b氏と投票するとB政党を支持したことになるし、さりとてa氏の当選は阻止したいしと迷う。もし、柴田さんが、b氏に投票すると、b氏は落選し、さらに柴田さんの投票はB政党に加算される。つまり、柴田さんの意見は結果にまったく反映されない矛盾に満ちた不合理な投票となってしまう。

また、このような、迷いが生じる有権者は、中間政党支持や無党派層に多く、その結果、小規模な中間派政党に不利である。 しかし、極左、極右のような極端な政党支持者は、支持政党でないと絶対にだめであると考えるので、このような政党に有利に働く。これを防ぐには、有効票数の一定量を獲得しない政党には議席を与えないなどの仕組みが必要である。同様な仕組みはドイツなどで採用されているが、これは憲法違反とみなされる危険がある。

つまり、2票投票する方式も1票投票する方式も憲法上の問題がある。

しかし、小選挙区の投票が比例区の投票とする方式は、共倒れを気にせずに立候補できるように比例区の当選者決定方式をとれば、よりふさわしい政治家に替わっていく効果が期待できる点は評価する。でも、第1党が過半数を取れず、不安定な政治状況を招く恐れがある点、群雄割拠となる可能性がある点を考慮し反対である。

以上のことから連用制は、衆議院に限らず参議院でも地方議会でも採用に反対する。

衆議院の選挙制度は、私が以前から提案している、「小選挙区単記委譲式(即時決選投票)と大選挙区単記委譲式の並立式」が良いと考えます。
自民党は小手先の改革ではなく根本から解決策を提案するべきである。