一昨日はNoisyNight!で一緒のゆかちゃんとちょこしのことを書いた のですが、今日は「らじお千里」で一緒のさわこについて「こいつ、マジすげー」と思ったこと。
何度も言うように私は塾講師をしていた頃、正直まったく努力をしていたというか格段かわったことをしていた記憶がとんとなくて、うちの学生に対しても「自由に楽しくやらせていたらそのうち成長するだろう」と楽観視していたんですよね。
ただ昨年、パンドラボックス設立3年目にして、設立と同時にに入ってきた水商を筆頭に「おかしい。まったく成長が感じられない。10年前の俺たちとは何かが違う」と焦り始めて、急遽「進学会や尊敬すべき先輩たちは10年前の私たちにどんな魔法をかけたのだろうか」ということ検証しはじめたわけです。
またその一環で「現状において私と学生のトークは何が違うのか」というのを分析したこともありました。
その時に書いた記事はこの辺。
・「おもしろい」というのはなんだろう?(1) - 正直、うちの学生のラジオは聴くに堪えない
・「おもしろい」というのはなんだろう?(2) - 意外性を導く3つの型
・「おもしろい」というのはなんだろう?(3) - 「上手い」水商と「おもしろい」莉奈ちゃん
・「おもしろい」というのはなんだろう?(4) - おもしろくない人がそこそこの話にできる3つのコツ
・「おもしろい」というのはなんだろう?(5) - 「勝つ方法」と「強くなる方法」があってだな…
結果記事でもかいているように私は他とは違って「先読み」ができるようだ。聞き手の思考パターンを読みきってそこに相手の予想していない言葉や展開をもってくる「意外性」が私のトークの秘訣。という結論に落ち着きました。
ちなみに同時期に三島さんと一緒に前田兄弟のフレアーショーを見るために鳥取に行ったんですが、その車中(鳥取まで往復運転させてスイマセンでした)でやっぱり懸案だった「うちの学生の話はなぜつまらないのか。私とは何が違うのか。」みたいなことを言ったら三島さんは
「私は伊藤さんのおもしろさの理由わかりますよ。”先読み”ができることです。」
「えっと、三島さん、私のBlogとか読まれたことあります?」
「いいえ?」
この人とは気が合うはずだわ、と未だに感心するエピソードだったりするのですが、まぁあながちその自己分析も間違ってないかなと自信をもったり。
あと”先読み”に関連して、これもまた三島さんとマーブルテレビの福嶋アナと飲んだ時にまたとーとーと語った(プロの人相手に何を言っているのだろうか)コトなのですが
「話をおもしろくするのってそんな難しいことではないと思うのですよね。
相手の考えていることを読んで、そこをわざと外してやればいいんですから。
ただそれと同じぐらいに大切なのは”早さ”。
相手の思考を読む以前に相手の思考よりも早いスピードで
話を進行させれば飽きずに長い時間自分の話を聞かせることができます。
だから私はこうやって話す時はかなりの早口で、
できるだけギッチギチに間を削ってしゃべるのです。
聞き手に思考させる暇を与えないために。」
ただ私は常に”早さ”を追求するあまり「言い間違い」と「失言」がとても多い。
先読みしながら全速力でしゃべることに脳をフル活用しているのでそれ以外のことには気が回らず「これはマズイ!」と思った時には既に口に出した後だったとかアーカイブで「言うてること無茶苦茶(>_<)」「この話、途中やのに頭がもう次いってしまってる(-_-)」と反省することしきりだったり。
まぁそういうリスクをとりながら常に全力でしゃべっていたりするわけです。
ただこれ「教えられない」という致命的な問題があって、個人の資質にかなり左右される。だからここ最近は「普遍的に使えてかつ人に伝えられ技術はないものか」とそっちはあきらめて違う方法を模索していたりします。
ただ、さわこだけはマジ天才。
「笑の解説はただ寒いだけ」という有名な定理があるので、詳しい説明は省きますが、軽く説明。
とある日の番組がはじまる前の軽い肩慣らしトークで、さわこを褒めるようなことを言ったらとても嬉しそうな顔したのでここで落としてやろうと思って
「でもまぁお前は○○が××やけどな(笑)」
と言おうとしたら、私がそれを口に出そうとするコンマ数秒先に
「でも私は○○は××ですけど(笑)」
「!」
放送サークルできて4年近くになりますが、その時がはじめて学生に「先読まれた」瞬間でした。
あれは本当に衝撃で、私は目を丸くして
「お前、すごいな…」と。
コロンブスのタマゴと同じで蓋を開けてみればたいしたことには聞こえないのですが、これは私的に相当にスゴイ。
まず話し相手であるSEIJIという人物をよく知り理解してそのクセというか普段から「いかにもいいそうなこと」をある程度絞り込めてないといけないし、その中からさらに「このシチュエーションでSEIJIがいいそうなこと」まで落とし込まめてないといけない。
また同時に「忘れかけたネタをもう一度ひっぱってくる」とか「相手をいったんあげておいてすぐさま落とす。それでギャフンとなっている滑稽さを狙う」という関西の人や話がうまい人はほぼ常套手段として使っているテクニック(うちの学生はその辺もぜんぜんできない)を、それこそ息を吸って吐くぐらいのレベルで身についてないとあのタタイミングでは出ません。
一流の職人はカンナの削りかすを見ただけでそれを削った職人の技量がわかるといいますが、私があの時感じたのそれと似たようなもの。
「これはすごい!」
もちろん私自身が個人的に負けたと思うほどではない。その時はあくまでも肩慣らしで8割ぐらいのスピードでしゃべっていて本番はいつも120%ぐらいの早さでしゃべるので、もし本番だったらさわこに先に言われるなどということはなかった。
でも私が意図してそういう細かなテクニックを教えたわけでもないし、「他人には不可能」と思っていたことをトレース(模写)する学生がはじめて目の前にあらわれたことに衝撃をうけてました。
話はちょっとそれますが最近、一部の人に言っているのは
「パンドラボックスは、地味に人材育成の場でもある。」
後藤よしのりさんの著書の中で書かれていた言葉が最近とても実感できてきて
「格闘技とビジネスはよく似ている。
相手の考えていることを読んで
相手が想像もしない嫌がるコトをするのが格闘技。
そして逆に相手が思ってもみない喜ぶコトをするのがビジネス」
私がいつも言っている「トークとは?」というのとこれはまったく一緒で、それは地味にそれは「恋愛」も同じだと後藤さんもおっしゃってられるし、私もそう思う。
だからうちで「トーク」の技術を身につけた人間は「仕事」でもたぶん成果をあげられるようになるし、「恋愛」でもモテるようになる。この何年かで卒業生を輩出するようになって、それは確信に近くなってきています。
うちに最後までおった人間は極めて優秀な人材になって出て行く。
ついでなので書いてしまうと、経営コンサルタントでもある後藤よしのりさんは経営における「思考のエミュレーション」というのの大切さを説かれていて、自分の中に「仮想の他人」を作り上げ仕事にのぞまなければならないと。。
そして教えてすぐにできるようになるのは女性らしいです。
女性はオシャレ・ダイエットなど「他人にどう見られているか」というのを生まれつきとてもよく気にかける生き物らしいのでコツさえ教えればすぐできるようになるそうです。
そして今回、さわこの中の「仮想のSEIJI」の再現度の高さが証明されました。たぶんあの様子では彼女は「ビジネス」でも「恋愛」でもコツをつかめば凄まじい成果をあげるでしょう。
玉造温泉の角さんが去年のタマステージで、はじめてさわこが行った後すぐ
「さわこさんは本当に天才ですね。」
と目を丸くして言っておられたのをよく覚えていますが、私も遅ればせながら、ようやくその凄さを目の当たりにして絶句してました。
それゆえ、今だに顔をあわせる度に「お前、マジすごいよなぁ。」というようなことを言っています。
幸いにしてさわこは寿命が短い”大学生という生き物”の中でもまだ若い2年生になったばかり。
この先どのような成長をみせてくれるのかとても楽しみです。
ということで今日はこの辺で。(さわこ、誕生日おめでとう!)
それではまた明日!