～1月5日の出来事～
【三好三人衆､足利義昭を襲撃】
永禄十二年(1569) 1月5日､
三好三人衆が京に乱入し
本圀寺の足利義昭を襲撃するが､
織田方の三好義継らに撃退される｡
三好三人衆とは､
三好長逸､三好政康､石成友通の事を
指します｡
石成は三好一族ではありませんが､
実力者で一族に準じた待遇を
受けていました｡
当時､三好家では既に長慶 亡く､
義継が後を嗣いでいました｡
三人衆は足利義栄を擁して
政権を操ろうとし､
一時的ではあれ
三好長逸が京都を手中にするなど､
あと一歩のところまで迫っていました｡
三人衆は当初､
義継を立てて松永久秀と対峙しますが､
次第に義栄 寄りの姿勢を見せて
義継を軽んじ出した為に仲がこじれ､
怒った義継は久秀 方に転じるなど
情勢はめまぐるしく変化します｡
更に永禄十一年には､
将軍･義輝 暗殺事件の際に
幽閉先の奈良･興福寺 一乗院を
逃げ出して､
近江から越前へと流浪していた
足利義昭は､
上洛の援助を
尾張の新興勢力･織田信長に求め､
信長はこれを容れて
上洛の兵を発しました｡
このため三人衆は､
信長を敵に回すことになり､
同年八月になり
急ぎ近江･観音寺城(滋賀県安土町)の
六角義賢と対策を協議します｡
しかし信長軍は､その三日後には､
佐和山城(同彦根市)の先鋒隊を
繰り出すなど､
電光石火の進撃を見せ､
九月七日には
信長自身が大軍を率いて
岐阜を出陣しました｡
もはや六角氏は信長の敵ではなく､
アッという間に支城の箕作城
(同東近江市)を抜かれ､
観音寺城の義賢 親子は
甲賀郡へと逃げ出します｡
信長の上洛により
十月までに近畿の版図は
大きく塗り替えられ､
三人衆は阿波へと逃れました｡
義継や久秀も
信長の配下に収まりますが､
十月二十六日に
信長が岐阜へ戻るため京都を発つと､
三人衆はすかさず和泉へ上陸し
家原城(大阪府堺市)で久秀勢を撃破､
この日に京に乱入し
本圀寺の足利義昭を襲撃しました｡
しかし三人衆勢は､
義昭の救援に駆けつけた
池田勝政､伊丹親興､荒木村重､
三好義継､細川藤孝などに
山城桂川で敗れ､
再び阿波へと逃げ帰り帰ります｡
しかし三人衆は諦めず、
やがて本願寺も対･信長路線に同調し
一回り規模の大きい戦いが起こる
ことになります｡