「武田晴信(信玄)、初陣」  ~12月28日の出来事~ | 歴史ブログ

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~12月28日の出来事~

【武田晴信(信玄)  初陣】


武田信玄、
十六歳の初陣より
頭角をあらわした一代名将





天文五年(1536年) 十一月、
武田信虎 率いる甲州軍は、
平賀源心入道の守る
佐久海ノ口城(長野県)を攻めた。

この時、
信虎の嫡男・晴信、初陣。

初めての戦に
熱き血をたぎらせていた。
晴信 十六歳。

後に“甲斐の虎”といわれる
名将・「武田信玄」、その人である。

戦いが始まり一月余り、
城は落ちる気配も見せない。

ついに軍は、撤退を決定した。



「父上、殿(シンガリ)は、
私(ワタクシ)に お任せください。」

こう申し出たのは、
十六歳の晴信である。

殿(シンガリ)といえば、
退き陣の際の命をかけた大役。

歴戦の猛者と言えども、
そう簡単に勤まるものではない。

信虎は取り合わなかった。

しかし、
「何としても、初陣の功を立てねばならぬ。」
そう考えていた晴信は、
無理に頼み込み、
この大役を引き受けてしまった。

そして、
父の軍勢が引き上げるやいなや、
手兵 三百を率いて
電光石火の如く
海ノ口城に夜襲をかけたのである。



甲州勢の撤退を見て
警戒を解いていた城は
ひとたまりもない。
あっけなく陥落した。

『その疾きこと風の如く……』と
軍旗に記した信玄ならではの
若き日の出来事である。