今日は遠洋マグロ船に欠かせない海技士の新規養成コース設立の話題
「5級海技士コース創設へ 水高卒業生の履歴短縮」
国土交通省海事局海技課は19日、5級海技士資格の受験に必要な乗船履歴を短期に取得する養成コース創設の意見募集（パブリックコメント）を開始した。
水産系高校の中でも学校数が多い5級海技士養成校（5級校）の卒業生を対象にすることにより、海技免状保持者を増やし船舶職員不足に対応する狙いだ。船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の一部改正に伴うパブコメは、2月21日の締め切りで、3月下旬に公布、4月1日施行を予定している。
海技士試験の受験に必要な乗船履歴を短縮する養成コースは、4級海技士養成校（4級校）の卒業生を対象に、2019年度から始まった。4級校の卒業生であっても、4級海技士試験の受験には、卒業後21か月間の乗船履歴が必要になる。しかし、水産研究・教育機構水産大学校の6か月間の乗船実習コースを修了することにより条件が満たされ、すぐに海技試験を受験できるようになった。
同様に5級卒業生も、在校中の実習と卒業後15か月の乗船履歴を合わせれば、5級海技士受験の資格を得られる。ただし今回の省令改正では、5級校で海技士試験科目に直接関係のある教科単位（15単位以上）を取得した人が6か月以上の水産大学校乗船実習コースを修了すれば、必要な乗船履歴が短縮される特例が明記された。
乗船履歴の短縮が適用される水産高校は、全国に5級校が圧倒的に多く、遠洋漁船の船員も5級校卒業生の割合が高い。一方で海技免状の保持者は、船員の高齢化で減少している。たとえ経営が安定していても船舶職員が揃わなければ、減船や出港の遅延などを招く。
より多くの水産高校の卒業生に履歴短縮が認められることにより、不足する有資格者を増やすだけでなく、乗船前の資格取得で即戦力となり、早期離脱の回避も期待できる。このため日かつ漁協（香川謙二組合長）は、5級の乗船実習コースを創設する養成を続けていた。（日刊水産経済新聞記事抜粋）
今回新設される5級海技士養成コース
これは我々遠洋マグロ業界が長年要望していた事案でした
この制度、簡単にいうと全国にある5級海技士養成校の水産高校を卒業した生徒を対象としており、このコースを利用すれば5級海技士の受験に必要な15か月という乗船履歴をわずか6か月に短縮できる仕組みです
遠洋マグロ船では5級海技士を取得すれば、航海の場合は一等航海士、機関の場合は一等機関士（条件によっては機関長も可能）の任に就くことが可能となります
現在、遠洋マグロ船は幹部職員が不足しているので、資格取得までの道のりが短縮されることは非常にいいこと
本当は去年入社した新人乗組員3人にもこのコースを受けさせたかったのですが、残念ながらコースの新設に間に合いませんでした
もっと早く新設されていたらと思うと残念ですが、それでもありがたい制度です
ただ全国の水産高校はどこも少子化の影響で生徒数が減少しているのが実情
せっかく素晴らしい制度ができてもそれを利用できる対象者が居なくなっては元も子もありません
なので今後は海技士養成校の水産高校卒業生に限らず、海技士を目指す人が誰でもこの制度を利用できるように制度がブラッシュアップされることを期待したいと思います
我々遠洋漁業に限らず、船の乗組員は深刻な人材不足に見舞われています
国交省をはじめ、国は是非ともこの先の将来を見据えて乗組員の人材育成に力を入れてもらいたいと思います
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