マグロの陸上養殖研究を進めていた水産ベンチャーが破産 | 清福丸ブログ

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知られざるマグロ業界の実態や日々の出来事をご紹介します。




宮古真鱈祭りが無事終了した宮古市ニコニコ

イベントには参加できませんでしたが、弊社前にある会場に続く道路は結構渋滞だったようで、イベントの盛況さを物語っていましたニヤリ

関係者の皆様、お疲れ様でしたお願い


さて、今日は気になるマグロニュースをご紹介スマホ


「マグロの陸上養殖研究を進めていた水産ベンチャーのWHAが破産」
WHA(株)(TDB企業コード:420338076、資本金1億3830万円、登記面=東京都千代田区大手町1-7-2、代表齋藤清実氏)は、1月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は三浦修弁護士(東京都中央区銀座4-10-10、三浦法律特許事務所、電話03-6853-7177)。債権届け出期間は2月2日まで。
当社は、2005年(平成17年)7月に設立。もともとはNPO法人鮪文化研究会が始めた陸上養殖マグロの研究事業であり、東海大学海洋学部との共同研究に伴い、静岡県内の同大学キャンパス内に当社研究所が置かれていた。
マグロの陸上養殖はマグロを海中(畜養)ではなく陸上の大型水槽にて養殖し成長したマグロの卵を成魚まで生育させ、養殖及び養魚の販売を目指すもので、当社はマグロの遊泳誘導システム、エアカーテン衝突防止システムなど陸上養殖に関わる特許を取得していた。2006年より養殖実験を開始し、2010年5月より他の養殖研究機関へ実験用のマグロの幼魚を販売していた。
しかし、稚魚の死亡率が高く、成魚に至るまでに約4年の歳月を要するなど飼育や移送方法、コスト面などの問題を解決出来ず、本格的な商業化には至らなかった。売り上げは2008年6月期に約450万円を計上するにとどまり、決算期変更後の2019年9月期にはわずか100万円となっていた。2018年8月には私財を投入するなどして事業を推進していた創業者が死去。その後、現住所に移転し、2019年頃には実質的な営業活動を停止していた。
負債は約2億円。(帝国データバンク記事抜粋)


僕はこの水産ベンチャーの会社の名前は知りませんでしたが、卵から成魚まで大きくする完全養殖かつ、海面ではなく陸上の大型水槽で養殖する陸上養殖というかなり大変な事業をされていた会社だったようですアセアセ

研究レベルでは理解できますが、これだけのことをやって採算に合わせるのは世界一マグロの養殖研究が進んでいる日本でも難しいことなんだと実感えーん

ちなみに大手水産会社が行っているマグロの養殖事業のほとんどは「畜養」といって、小さいサイズのマグロを海面に設置した生簀に入れ、餌で育て大きくなったら出荷するという方法うお座
採算ラインはキロ2500円~3000円と言われており、この値段を下回ると赤字になると言われていますガーン
一部の水産会社ではマグロの完全養殖でお馴染みの近畿大学と協力し、卵から孵化したマグロを育てる完全養殖マグロもありますが、コスト的には畜養よりすごく手間とコストがかかっていると思いますショボーン

そう考えると自然のもつ生産エネルギーってとてつもなく大きいと改めて実感!
獲りすぎると資源はもちろん枯渇してしまいますが、しっかりした資源管理を行い漁獲調整すれば、マグロはしっかり増えてくれますグッ

世界の水産業で成長著しいのは養殖ですが、魚種によっては上記の蓄養のように小型の天然魚を漁獲して利用しますし、与える餌はこれまた天然魚を使っていたり、資源にいいとは必ずしもいえませんタラー

持続可能とかSDGsとか考えると、しっかり資源管理された天然魚を利用するのがコスパ的にも環境的にも1番いいのではないかと思う今日この頃でしたウインク

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