今書いている詩 (116) 「たろうさんの夕陽」 | たろうくん(清水太郎)のブログ

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八王子の夕焼けの里でniftyの「清水中世史研究所」(八王子地域の中世の郷土史)とYahooで「清水太郎の部屋」として詩を書いてます。

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    たろうさんの夕陽

 陵北大橋を妻のパート先へ車で向かう
 中程を男が夕陽を横に浴びながら走ってゆく

 橋を渡り終えると交差点の左手に黄色いビルがある
 看板もなくオートバイを売っている風でもなく
 解体ばかりしている怪しげな店である

 交差点の向こうはレモンガスの本社で
 最近越してきた
 元コンビニのサンクスの跡である

 企業などとは先の見越せないものだ
 落日もある
 永遠に好調な成績など残せない
 
 あのトヨタでさえ今の状態を予測し得なかった
 また今度は120万台のリコールの為体である

 思えば30年前にたろうさんの勤めていたスポーツ用品卸の
 会社が倒産して人生に狂いが生じた

 その社長はいま北八王子の辺りを中心に
 成長して読売新聞の一面にまで広告を出す
 八王子では大手の建売住宅の会社になっている
 
 たろうさんにしても2年前に始めた
 「清水中世史研究所」と1年程遅れて
 開設した「清水太郎の部屋」のブログが
 受け入れられるとは想像出来なかった
 
 娘さんがたろうさんの生まれた
 元八王子の地に加藤君と新しい
 生活を始めることなど誰が知り得たろうか
 
 3月にたろうさんは定年である
 新しい仕事はまだ決まってない
 重いローンを抱えて働かなくては
 ならない状況にある
  
 老後の人生が長くなったこの時代
 たろうさんに楽はない
 恵まれた家族愛だけが救いである